研究課題/領域番号 |
20K00219
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研究機関 | 東京経済大学 |
研究代表者 |
山田 晴通 東京経済大学, コミュニケーション学部, 教授 (40191324)
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研究分担者 |
東谷 護 愛知県立芸術大学, 音楽学部, 教授 (10453656)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 労音(勤労者音楽協議会) / 中津川労音 / 岐阜県東濃 / ポピュラー音楽 / 全日本フォークジャンボリー / フォークソング |
研究実績の概要 |
本プロジェクトでは、労働組合や左派との結びつきが強かった労音が、ポピュラー音楽の広がりを支え、「名もなき人々」が集まる場であった側面に着目し、事例対象として岐阜県中津川市にあった中津川労音を研究対象とし、本年(令和3)年度直前の令和3(2021)年3月下旬に、東谷護(編著)『復刻 資料「中津川労音」』(風媒社、2021年)を基礎資料の整備を目的として刊行した。 この資料復刻本を公刊することによって、これまで接点のなかった関係者複数名との繋がりを新たに持つことが出来た。令和3(2021)年8月より、関係者複数名へのインタビューを月1回のペースで令和4(2022)年3月まで行ってきた。なお、このインタビューは最終年度も定期的に行う予定である。 上記の現地調査の成果の一部として、中津川労音会員有志が実行委員となり企画制作した、全日本フォークジャンボリー(昭和44[1969]年~昭和46[1971]年の3回開催)に関連する1次資料が新たにみつかった。これらの1次資料は半世紀弱埋もれていたものであった。当時の関係者からこれらの1次資料をもとに当時の実態を聞き書きすることをはじめとして、当時の話をうかがった。さらに中津川労音の会員属性にまつわるエピソードとして、労音特有である組合活動や左翼系政党との結びつきについて話をうかがうなかで、左派とはまったく無縁の会員にとって、地方労音である中津川労音が果たした意義を探る貴重な話をうかがうことも出来た。 これらの研究成果として、論文1本を紀要に収めることが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究開始初年度に、コロナ禍と、研究代表者の山田が大学の要職についたことによって、現地調査に割く時間がとれなかったため、マス・メディアに依存しないポピュラー音楽を支えた「場」として、地方労音の中津川労音に着目し、中津川労音の機関誌すべてを読み解き、機関誌「中津川労音」を書籍として資料復刻したのが令和3(2021)年3月下旬であった。 この資料復刻本、『復刻資料「中津川労音」』(風媒社)が、当時の中津川労音の主要な元会員の目に留まり、中津川労音の主要メンバーが中心になって開催した全日本フォークジャンボリー(1969~1971年開催)を記念して平成21(2009)年に開設されたフォークジャンボリー記念館(中津川市坂下)にて、令和3(2021)年8月より、月1回のペースで、中津川労音の元会員、全日本フォークジャンボリー実行委員だった方たちへのインタビューを行った。 貴重な1次資料の収集とその整理をはじめとして、当時の状況が当事者へのインタビューによって明らかになった。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度にむけて、マス・メディアに依存しないポピュラー音楽を支えた「場」については、今年度に行った現地調査と関係者へのインタビューを継続し、併行して収集した一次資料も含めて、資料読解をつづけていく。この分析を中心に、無名性についても事例対象に絞って、考察したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は現地調査を行い、順調に研究を進めることが出来たが、研究初年度にコロナ禍であったことと、研究代表者の山田が大学の要職についたことによって、次年度使用が生じた金額が大きかったため、引き続き、次年度使用が生じることとなった。 使用計画として、今年度の現地調査を継続して行う。これにかかる旅費と現地での資料収集に使用する。
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