研究課題/領域番号 |
20K00229
|
研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
小川 太郎 富山大学, 学術研究部芸術文化学系, 講師 (50389962)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 漆芸 / 螺鈿 / 工芸材料 / 煮貝技法 / 夜光貝 |
研究実績の概要 |
伝統工芸を支える材料、漆芸 螺鈿材料確保への道筋を探る、煮貝技法の検証 供給が不安定になりつつある螺鈿材料、製造者の高齢化、後継者不在、需要の低下などが 供給不安定の原因としてあげられる。螺鈿技法を用いる職人、作家の多くは既に生涯必要量を確保しており、既に新たな需要が見込めず材料供給の不安定化は加速化する事が想定される。このような状況は、次世代の作家、職人の育成に大きな壁となる。 そこで本年度は、煮貝技法を実施しその際に使う道具について検証した。また、成長年の異なる貝を煮ることにより、得られる材料に差異があるか実験を開始した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、初年度に国内外での螺鈿材料の製造流通や、原材料の減少について調査を行うと同時に、沖縄にて煮貝技法を研究されている宮城氏を訪ね情報交換と、材料入手を予定していた。ところが、コロナ ウイルスの世界的流行により、研究調査旅行に出られなかった。 そこで機材購入を進め、2年目以降に予定していた煮貝技法での材料作成を進めた。また、研究で使用する夜光貝の入手ルートを確立できた。その段階でできることを進めている。具体的には、煮貝技法にて螺鈿材料を作る際に、どの様な道具を用いたら良いか、を検証したり、成長年の異なる貝を煮ることにより得られる材料の差異があるのか実験を開始した。 全体の計画を見直さなければならなかった事に加え、材料の入手先の確保などに手まどい研究を進められなかった時期があるため、全体として予定より研究がやや遅れた状態となっている。
|
今後の研究の推進方策 |
初年度に煮貝技法にて作成した螺鈿材料を用い暴露実験などを経て白化させ、観察し、白化の原因を究明する。他分野の専門家にも意見を聞きながら進めていく。 また、移動の自由が確保された段階で本来の予定通り、国内外での螺鈿材料の製造流通や、原材料の減少について調査を開始する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本来予定していた調査旅行が、コロナ ウイルスの世界的な流行により実行できなかったため、旅費の支出がなくなった事が大きな要因である。 結果、情報収集と2年目以降に進めるべき研究を前倒しにして研究を進めることとしたため、予定額より支出が減ることとなった。 コロナ ウイルスの世界的な流行が収まりを見せ、移動の自由が確保された段階で、当初予定していた調査旅行を開始する。
|