2023年度は韓国で地域の舞踊をはじめとする伝統芸能継承者への取材をはじめ、史料(資料)収集、新聞記事、撮影などを行った成果は以下である。 1.投稿論文:「韓国伝統芸能(舞踊)の変容と『朝鮮音楽舞踊研究所』の活動の意義と継承」を題に、日韓併合時代に朝鮮に流入した外来舞踊の影響力が強まる中で、朝鮮伝統舞踊が衰退、変容していることを当時の新聞記事・写真から分析し明らかにした。(アジア文化研究45:) 2.学会発表:「韓国伝統舞踊《サルプリ・チュム》のスゴン(布)を用いる技法と象徴性‐3つの流派を比較して‐」を題に、厄払い舞踊として始まった≪サルプリ・チュム≫が、芸術性を追求するようになった背景を考察した。無形文化財に指定された代表的な3つの流派(京畿道地域の金淑子・中部地域の韓英淑・全羅道地域の李梅芳)を比較分析し、スゴンの動作や表現、象徴性の相違点や共通点の他、特徴などを考察した。本発表は「東アジア舞踊の比較研究と共創‐琉球舞踊の研究手法を軸として‐」の研究協力者としの分担研究である。(日本スポーツ人類学会第25回大会 鳥取大学 2024年3月16日) 3.招聘公開講演:①「韓国現代K-POPに見られる伝統芸能の要素」を題に、K-POPの代表であるBTSのパフォーマンスには韓国伝統芸能(舞踊)の要素が取り入れられていることを映像分析も用いて発表した。(明治大学アジア太平洋パフォーミング・アーツ研究所・日本伝統芸能教育普及協会むすびの会 明治大学 2023年5月20日)。②「韓国伝統文化(芸能)に見られる「ハン」の象徴性」を題に、韓国(朝鮮)民族固有の情緒である「ハン」の要素が日本の伝統芸能にも表れているかを比較考察する。(日本伝統芸能教育普及協会むすびの会、立正短期大学 2024年6月8日)
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