研究課題/領域番号 |
20K00255
|
研究機関 | 放送大学 |
研究代表者 |
伏見 清香 放送大学, 教養学部, 教授 (30369574)
|
研究分担者 |
茂登山 清文 名古屋芸術大学, 芸術学部, 教授 (10200346)
柳沼 良知 放送大学, 教養学部, 教授 (10251464)
井堰 絵里佳 広島国際学院大学, 情報文化学部, 講師 (20826713)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 鑑賞支援 / デザイン / 情報 / 空間 / ウェイファインディング |
研究実績の概要 |
国内外で災害が多発し、美術館や都市に甚大な被害が続き、尊い命が失われている。ここでは、美術館等が用意した「いのち」をテーマにした展示情報と、現地からの投稿をwebで共有する参加型連携支援システムを発展させ、海外からの情報を増やし、情報量が低下した被災館を支援する。 デジタル技術の発展により、バーチャル世界の内と外が曖昧になってきている。スマートフォンを使用し、都市やミュージアムをwebで繋ぎ、分野と地域を越えた参加型連携支援システムで、バーチャル世界における情報と空間の関係性と相互作用を明らかにする。人間の根源的な「いのち」の営みと歴史について、広く深い鑑賞へと導く支援システムを目指す。 ウェイ・ファインディングの視点から、参加者の視線動線調査、印象評価、アンケート調査、投稿内容とログから参加者の利用傾向、興味と満足感における内容の繋がりと相違、情報と空間認識の関係と相互作用を明らかにすることで、鑑賞支援の質を高め、理論と実践の両側面から研究を進める。 2020年度の予定では、2回の研究会(放送大学、名古屋芸術大学)3箇所の調査を計画していた。放送大学での研究会は、web開催として実施した。また、名古屋芸術大学での研究会は現地で実施ができた。しかし、美術館や博物館での調査は、COVID-19 感染拡大の影響があり、唯一、福井県年縞博物館において、調査が実施できた。年縞の研究者や博物館の担当者と、2回にわかり展示物を前にして議論ができたため、連携の決定に至った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
世界的なCOVID-19 感染拡大の影響で、美術館や博物館において、実際の展示物を前にした議論ができない場合が多かった。本研究でデザインするシステムは、COVID-19 感染拡大のような時こそ、ユーザーに使用してもらいたいシステムではあるが、システム制作決定に至るまでには、作品や展示物を前にした検討が必要である。どの展示物を選び、どのような視覚情報(写真等)とするか?、どのように解説(文字情報等)とするか?は、美術館や博物館で実際の展示物をみながら、館の担当者や展示物の研究者と議論しなければ、決定することは難しいため、本研究はやや遅れている。 2020年度の予定では、2回の研究会(放送大学、名古屋芸術大学)3箇所の調査を計画していた。2回の研究会は実施できた。1回目の研究会である、放送大学での研究会は、web開催として実施した。また、2回目の研究会となった、名古屋芸術大学での研究会は現地で実施ができた。しかし、美術館や博物館での調査は、唯一、福井県年縞博物館において、調査が実施でき、年縞の研究者や博物館の担当者とも、2回にわかり展示物を前にして議論ができたため、連携の決定に至った。
|
今後の研究の推進方策 |
2021年度は、まず2020年度に連携が決定した福井県年縞博物館の情報を、今年度は本システム上でアップする。 さらに、放送大学での研究集会と、名古屋芸術大学、あるいは、広島国際学院大学での研究会を予定している。実際に現地で開催するか、web上での開催になるかは、COVID-19の感染拡大状況により異なってくるが、いずれかの方法で実施予定である。 本システムと海外の美術館、博物館との連携を決定するためには、COVID-19感染終息が待たれるが、できる限り連携を模索する。日本国内での連携に向けた調査も、COVID-19の影響があるが、海外での連携調査と比較した場合は、かなり可能性があるため、積極的に検討を進める。さらに、学会での口頭発表や分科会での口頭発表や報告会で連携を呼びかけることも検討したい。 実証実験は、COVID-19の感染終息が大きく影響するため、状況をみながら慎重に検討する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
世界的なCOVID-19 感染拡大の影響で、美術館や博物館において、実際の展示物を前にした議論ができない場合が多かったため、福井県年縞博物館以外は、現地での調査ができなかったため、次年度使用額として旅費を中心として2021年度の使用予定とした。
|