本研究の目的は,幕末・明治期の導入期から第二次世界大戦期における日本の統計学について,①統計学史研究の新しい視座(第二の視座)に立脚し,②高等教育機関(研究者の再生産機能)と研究機関(研究の生産機能)を中心とした制度的側面と,③学術論文の研究テーマの統計的分析によって,④「統計学の数学化」に関する歴史的過程の実態を明らかにしていくことである.この目的を達成するために,本研究では,(1)戦前期の帝国大学等の高等教育機関における統計教育の実態把握と社会的背景の分析,(2)統計数理研究所設立をめぐる歴史的経緯と社会的背景の分析,(3)学術論文のテーマと内容に関する統計的分析を行った.
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