研究課題/領域番号 |
20K00274
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研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
小林 学 千葉工業大学, 工学部, 准教授 (60447555)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ウィリアム・フェベーン / ロバート・スチーブンソン / ブリタニア橋 / イートン・ホジキンソン |
研究実績の概要 |
令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行があり、研究活動が非常に制限された。そのため、これまで収集した研究資料の読解を中心に研究を行った。また、インターネットで公開されている資料を閲覧するとともに、研究上必要な書籍を国内外から購入した。 2021年7月に開催される第26回国際科学史技術史会議で“Re-evaluating Britannia Bridge: The Historical Development of Bridge-building Technology”と題する講演発表の準備と申し込みを行った。これは、日本科学史学会第66回年会一般公演「ブリタニア橋の再評価――橋梁技術の史的展開メカニズムの解明へ向けて」(2019年5月発表)をさらに洗練させたものになる予定である。 また、小林学「石炭と鉄」桃木至朗責任編集、中島秀人編集協力『ものがつなぐ世界史』ミネルヴァ書房、2021年、225-250頁の完成に多くの時間を割くことになった。この執筆を通じて、先史時代から18世紀に至る石炭と鉄の使用に関する資料の調査を包括的に行った。結果、本研究の基礎となる橋梁の形状と使用材料についての基礎的な史料を収集かつ整理することができた。 本研究で鍵となる技術者は、ウィリアム・フェアベーンだと考えている。彼は管状のクレーンを、またヘザリントンとともにランカシャー・ボイラーを発明し、ロバート・スチーブンソンとホジキンソンとともにブリタニア橋とコンウェイ橋の建設に取り組むなど多くの技術的事業に関わった。彼の事業は、本研究のテーマである橋梁・機械技術を横断している。そのため、フェアベーンの業績を検討しながら、橋梁・機械技術を貫く技術の内的・外的要因研究を追求しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響で当初予定していた英国への資料調査が行えなかったことが主な理由である。4月からの緊急事態宣言で研究活動が制限されたのも大きな要因となった。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の世界的流行のため、予定していた英国での資料調査ができていない。英国での調査できるようになるまでは、国内にて海外資料の収集に努める。また、これまで収集した資料の整理および分析を進める。 2021年7月に予定されている第26回国際科学史技術史会議で研究成果を参加・発表し、国内外の研究者から当該研究を遂行する上で有益な情報の収集に努める。 橋梁および蒸気機関の形態の変化については、そのどちらにも関係するフェアベーンの事業を追うことで、その糸口をたぐり寄せる。橋梁・機械技術を貫く技術の内的・外的要因は、微視的視点とともに巨視的視点から鳥瞰し、歴史事象の一般化を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の世界的流行のため、英国での資料調査を取りやめたことで次年度使用額が生じた。 英国での資料調査が可能になり次第、渡英するため、旅費として使用する予定である。
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