日本の植民地経営において重要であった鉱産資源調査やそれに関連する地質調査についての研究は乏しい。また、中国での地質調査の歴史的研究は、日本地質学史にとっても重要でもある。本研究では、その欠落を埋めるため、中国での初期の地質調査を検討した。1895-1916年の地質調査の実態を実証的に明らかにしたのみならず、日本・欧米・中国の地質学的「知」から調査への影響、調査結果の地質学的「知」への影響、中国の土着の知と調査との関係も考察し、研究成果を国内外で発表した。 この研究は今後の日中関係の改善に寄与できるという社会的意義もある。
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