研究課題/領域番号 |
20K00295
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研究機関 | 白百合女子大学 |
研究代表者 |
井上 隆史 白百合女子大学, 文学部, 教授 (10251381)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 三島由紀夫 / 野間宏 / 武田泰淳 / 中村真一郎 / 大岡昇平 / 大江健三郎 / 世界文学 |
研究実績の概要 |
二葉亭四迷、森鴎外、有島武郎、横光利一、島崎藤村、三島由紀夫、野間宏、武田泰淳、中村真一郎、大岡昇平、大江健三郎、津島佑子、石牟礼道子、村上春樹、カズオ・イシグロらの文学を、バルザック、ゾラ、フローベール、プルースト、ジョイス、サルトル、フォークナー、ガルシア・マルケス、バルガス・リョサらの作品を含む世界文学の観点から研究し、その成果の一部を『暴流(ぼる)の人 三島由紀夫』(平凡社)としてまとめた。この本は三島由紀夫の評伝なので、三島の創作ノートや書簡などを分析し、関係者に対するインタビューも重ねたが、むしろ力点は、三島文学の世界文学としての意味を、三島が生きた第二次世界大戦から冷戦期にかけての時代背景や社会情勢という文脈の中で明らかにした点にある。この点が評価され、同書は読売文学賞、やまなし文学賞を受賞した。そのエッセンスにあたる部分は、「芸術新潮」(2020年12月)の三島特集や、NHK教育テレビのETV特集「転生する三島由紀夫」(2020年11月28日)、フランス・アルテ・テレビの「Invitation au voyage」(2020年8月25日)、ブラジル日本研究国際学会+全伯日本語・日本文学・日本文化大学教師学会のパネル「Sessao de Painel | Mishima Yukio: Luz & Sombra」(2021年3月19日。ユーチューブで世界発信)などで発信した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
パンデミックの影響で、いくつかの会合や講演などは実現できなかったが、逆に、上記『暴流(ぼる)の人 三島由紀夫』の執筆に集中することが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
次著において、野間宏、武田泰淳、中村真一郎、大岡昇平から大江健三郎、津島佑子、石牟礼道子、カズオ・イシグロにまで対象を広げた、総合的な日本文学論を展開すべく準備を進めている。
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