研究課題/領域番号 |
20K00295
|
研究機関 | 白百合女子大学 |
研究代表者 |
井上 隆史 白百合女子大学, 文学部, 教授 (10251381)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 二葉亭四迷 / 有島武郎 / 横光利一 / 中村真一郎 / 大岡昇平 / 武田泰淳 / 大江健三郎 / カズオ・イシグロ |
研究実績の概要 |
前年度に続き「世界文学としての近代日本長編小説についての総合的研究」について、二葉亭四迷、有島武郎、横光利一、中村真一郎、大岡昇平、武田泰淳、川端康成、大江健三郎、カズオ・イシグロを中心に調査研究を進めた。その成果の一部をLITERATURE IN THE NOBEL ERA: COMPARATIVE, THEORETICAL, AND ARCHIVAL APPROACHES TO THE NOBEL PRIZE IN LITERATUR(2021年8月25日 - 2021年8月27日、オンライン開催)にて発表し、現在論文化を進めている。 また、「ドミニク・パルメさんに聞く―『夏』と『仮面の告白』の翻訳を通して」、「円周上のふたり―真一郎と三島」(中村真一郎手帖 2021年6月)では中村真一郎、三島由紀夫文学の仏訳の問題、「いま武田泰淳を読む」(交通新聞 2022年2月10日)では武田泰淳文学の現代性、「リール大学・白百合女子大学共同セミナー:『仮面の告白』を読む(1)」(国文白百合 2022年3月)では、日仏の読者による「仮面の告白」読解について考察した。『三島由紀夫小百科』(共編、水声社 2021年11月)では、最新の三島由紀夫研究状況をまとめた。 ほかに、編著『身体と身体ーパフォーマンス・批評・精神分析』(弘学社 2021年3月)、(書評)佐々木孝次「天皇と供儀ー応用精神分析の試み」(週刊読書人 2021年9月24日)などで、本研究課題の理論的背景の一つとなる精神分析についての考察を深めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
『三島由紀夫小百科』(水声社、2021年11月)の編集に予想以上の時間がかかったため、それ以外の課題に充分取り組むことが出来なかったが、本年度の中心的課題であったLITERATURE IN THE NOBEL ERA: COMPARATIVE, THEORETICAL, AND ARCHIVAL APPROACHES TO THE NOBEL PRIZE IN LITERATUR(2021年8月)では大きな成果をあげることができたため、おおむね順調といえる。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究課題に集中できる環境が整ったので、第2回のLITERATURE IN THE NOBEL ERA: COMPARATIVE, THEORETICAL, AND ARCHIVAL APPROACHES TO THE NOBEL PRIZE IN LITERATUR(2022年8月にドイツで開催予定)に照準を合わせて、研究を進める予定である。ほかに、その準備を兼ねて、六月にアメリカ比較文学会でComparative Perspectives on the Nobel Complexのパネルを組んだ(2021年6月 - 2021年8月27日オンライン開催)。
|
次年度使用額が生じた理由 |
些少な残額ではあったが、これを使用しようとすると、次年度に食い込んでしまう。22年度は海外渡航が予定されるため、少しでも助成金を確保することを考慮した。
|