研究課題/領域番号 |
20K00306
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
中本 大 立命館大学, 文学部, 教授 (70273555)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 画題研究 / 漢画系画題 / 五山禅林文学 / 常信縮図 / 蘇軾 / 陸游 / 馬蝗絆 / 彦龍周興 |
研究成果の概要 |
本研究課題における最大の成果は、東京文化財研究所蔵、「常信縮図」写真版の全画題分析を実施したことである。画題分析は「故事・人物図」、とくに漢画系人物・道釈画題について重点的かつ詳細に行い、その結果を一覧データ化した。今後は分析したデータに基づく特長的な個別画題の研究を継続的に進める予定である。 個別画題の分析については、室町時代中期の文明年間、相国寺の学僧・彦龍周興の周辺で受容された中国宋代の文人、陸游に関わる詩題および画題「扇市図」の研究・「馬蝗絆」の銘をもつ青磁茶碗が東山文化の神髄として評価される要因に関する研究・本邦五山禅林における宋代の文人、蘇軾の人物像に関わる研究などを遂行した。
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自由記述の分野 |
日本中世文学、漢文学、五山禅林文学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「日本人が受容した漢画系画題」という切り口は、実に多くの示唆を与えてくれる。最も重要なのは、日本人が漢画から何を読み取り、その背景となる故事・逸話や物語、歴史的背景をどのように理解したかを端的に指し示す素材だということである。典拠との距離感、すなわち何を正しく理解し、何を誤って解釈し、何を受容しなかった、その差こそが、「日本的」なものの見方や考え方を追究する有効な契機になると考えられる。「画題」に注目した本研究はまさに日本文学の特質や本質を解き明かそうとする試みであり、それが時代を経て変遷するものだったのか、それとも不変であるのかを、個別画題の研究を通して解明し得たのではないかと考えている。
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