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2021 年度 実施状況報告書

『日本書紀』の注釈的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K00310
研究機関北海道大学

研究代表者

金沢 英之  北海道大学, 文学研究院, 教授 (00302828)

研究分担者 三上 喜孝  国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (10331290)
福田 武史  武蔵大学, 人文学部, 教授 (20752075)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード日本書紀 / 注釈 / 上代文学 / 古代史
研究実績の概要

本研究は、古代国家の起源と歴史を語る『日本書紀』について、過去の研究の不足を補い最新の知見を反映した新たな注釈の完成を目指すも のである。このため、文学・歴史学・訓詁学を専門とする研究者の協働により、総合的な立場から『日本書紀』全体の作品論的理解を追求すると同時に、細部に わたって一貫した読みに基づく注釈を作成し、最終的にその成果を整定本文および訳読を付した注釈書として刊行することを目的としている。
最終的に全3巻の注釈書として刊行するうち、すでに初年度の2020年度には、上巻の刊行を終えている。本年度は計画期間2年度目にあたり、科研費申請当初には中巻の刊行を目標としていたが、コロナウィルス感染拡大による資料調査や作業の遅延のため、初年度終了時点で、今年度は中巻刊行の準備を進めることに計画を変更していた。
2年目の今年度においても引き続いたコロナ禍による種々の制限のため、出張しての現地調査や、メンバー間や出版社との打ち 合わせ等には1年目同様の困難があった。年度末には研究協力者も含めたシンポジウムを開催する予定であったが、オミクロン株の拡大のため中止せざるを得なかった。しかし、注釈作成作業自体はオンラインによる打ち合わせ等を活用しつつ、中巻刊行のための準備を進めた。現時点で、中巻の収録対象となる巻8から巻21のうち、底本の翻刻作業はほぼ修了しており、注釈については巻19まで原稿作成が進んでいる。また、並行して現代語訳の作成、さらには原稿既提出分の版組み・校正作業も進めた。
加えて、各研究分担者が注釈作業を通じて得た知見を、投稿論文としてまとめ発表している(研究発表の項参照)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画2年目の今年度は、全3巻に分けて刊行予定の『日本書紀』注釈のうち中巻の刊行のための準備作業を進めることを目的としていた。年度末までに中巻の原稿作成作業は全体の7割程度まで進んでおり、次年度中の刊行は可能な範囲であると考える。

今後の研究の推進方策

次年度は、注釈書中巻を完成させ、刊行することを目的とする。このため、引きつづきオンラインでの打ち合わせ等を活用しながら現在進行中の原稿作成作業を年度前半中に終了し、その後は出版社とのやりとりを含めた校正作業を進めて年度内の刊行を目指す方針である。
また、年度後半には下巻刊行のための準備作業(底本の翻刻・注釈および現代語訳原稿の作成等)を並行して進めてゆく予定である。
研究成果を注釈書として刊行する他にも、今年度実施できなかったシンポジウムを開催し、研究協力者も招いて研究成果を発信してゆくことを考えている。

次年度使用額が生じた理由

当該年度の予算執行計画には、実地調査が可能となった場合の調査旅費や研究協力者への謝金、また国内での打ち合わせ旅費等を含めていたが、今年度もコロナ禍が継続したことにより、相当額の次年度使用額が発生した。
次年度には実地調査やシンポジウムの開催等が可能な状況となればこれらの目的で旅費等に充当する予定である。であるが、依然として現在の状況が続くようであれば、残りの予算を繰り越して研究期間を延長し、下巻の刊行準備を進めてゆくことも対策として考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 神田喜一郎『日本書紀古訓攷証』初版・改訂版の研究2022

    • 著者名/発表者名
      福田武史
    • 雑誌名

      武蔵大学人文学会雑誌

      巻: 53-3・4 ページ: 39-57

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 『日本書紀』仁徳天皇と磐之媛皇后の問答歌をめぐって2021

    • 著者名/発表者名
      金沢英之
    • 雑誌名

      国語と国文学

      巻: 98-7 ページ: 3-17

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公開日: 2022-12-28  

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