研究課題/領域番号 |
20K00312
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
安藤 宏 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (30193113)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 太宰治 / 日本近代文学 / 直筆資料 / 自筆原稿 / 文学館 / 文学展 |
研究実績の概要 |
コロナ感染症のため、予定していた青森への出張は中止せざるを得なかった。また北海道立文学館の太宰治展に赴き、講演の予定があったが、これも開催が延期となった。一体に文学館等に於ける太宰治関係のイベントは低調な一年であったが、その中で「太宰治展示室 三鷹の此の小さい家」が12月8日にオープンしたことは本研究計画の中でも大きな意義を持つものである。オープンに先立ち、パネル作成等の企画協力を行い、今後も継続的に常設展、企画展、さらには既存の「太宰治サロン」の展示計画等について三鷹市および三鷹市スポーツと文化財団と協議を行っていく予定である。 かねてより共同研究の形で進めていた、太宰の戦中戦後の本文、プランゲ文庫の検閲の実態について、その成果を安藤宏・斎藤理生編『太宰治 単行本にたどる検閲の影』(秀明大学出版会、令和2年10月刊)にまとめ、出版した。特にプランゲ文庫の太宰治の検閲資料に関しては初めての本格的な調査であり、書評等の反響が大きかったことも含め。重要な成果をまとめることができたと考えている。安藤の執筆担当担当は「『佳日』から『黄村先生言業録』へ」「『お伽草紙』」「「パンドラの函」」の3章である。 太宰治の研究書(単著)に関しては、およそ2000枚の原稿が完成し、校閲社の協力のもと、そのデータの点検作業に入った。10ヶ月にわたって校閲作業を行い、来年度には書肆との本格的な打ち合わせに入る予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ感染症により文学館等の活動が休止した分、計画は遅れたが、研究所(単著)の執筆が計画よりも早めに進んだため、総体的には順調と言える。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、太宰治関係資料を収蔵している各機関との協議を進め、資料のデジカル化を推進していく。
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