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2023 年度 実施状況報告書

森鴎外の「言語」観:複言語主義からの再検討

研究課題

研究課題/領域番号 20K00319
研究機関上智大学

研究代表者

河野 至恩  上智大学, 国際教養学部, 教授 (60439338)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード森鴎外 / 複言語主義と文学 / 複言語主義 / 日本近代文学 / 日本語文学 / 言語哲学と文学
研究実績の概要

本研究は、森鴎外の文学作品・翻訳・評論などのテクストやその基盤にある文芸思想 における「言語」をめぐる諸問題を「複言語主義」から再検討する試みである。明治・大正期の代表的な作家である鴎外のテクストや思想と「言語」の関係を多角的に分析することにより、明治・大正期文学の言語環境の理解を深め、文学と「言語」の関係を批判的に再検討することで「複数言語から読む日本近現代文学」の問題系のさらなる展開を目指す。
研究の4年目である2023年度は、本研究に関する研究発表として、日本比較文学会第61回東京支部大会にて「森鴎外と code-switching の詩学 ― 「カズイスチカ」を中心に ―」と題する口頭発表を行った。この発表は、前年までの「鴎外テクストにおける複数言語の使用について」の研究を、特に短編小説「カズイスチカ」の分析としてまとめたものである。近年の、文学テクストにおける複数言語使用についての研究や、鴎外の複数言語使用についての先行研究を参照しつつ、「カズイスチカ」におけるラテン語やフランス語の使用の特徴、その効果について論じた。この口頭発表の内容は、近日、論文としてまとめ投稿することを目指し、論文の執筆を進めている。
また、本研究の背景の研究として、日本文学研究・比較文学研究など、関連分野における翻訳・複言語主義についての研究を継続して行い、研究発表を行った。その内容は本研究の個別事例の分析にも生かされている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今回の助成は特に最初の2年間において新型コロナウィルス感染拡大に伴う渡航規制等のため、文献調査や研究発表の実施に遅れが生じた。2022年、23年には、口頭発表、講演などで研究成果を発信することができたが、未だ当初想定していた調査、研究成果発信が出来ているとはいえない。2024年度には期間の再延長をしたので、成果を論文等にまとめることに注力していきたい。

今後の研究の推進方策

2024年度は、前年度までに進めた研究(特に、前年度に日本比較文学会東京支部大会で発表した内容)を、論文等にまとめ、学術誌に投稿することを目指す。また、必要に応じ、追加の文献調査(ベルリン)の実施を計画している。

次年度使用額が生じた理由

2023年度に実施を予定していた海外文献調査を実施することが出来なかったため次年度使用額が生じている。2024年度には、必要に応じて国内・海外で文献調査を実施する。もし実施できない場合は、研究成果の発信のため(論文の英文推敲等)使用する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] ベルリン・フンボルト大学(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      ベルリン・フンボルト大学
  • [学会発表] 森鴎外と code-switching の詩学 ― 「カズイスチカ」を中心に ―2023

    • 著者名/発表者名
      河野至恩
    • 学会等名
      日本比較文学会第61回東京支部大会
  • [学会発表] Translators on the move: mobility, plurilingualism, and networks in early translators of modern Japanese literature2023

    • 著者名/発表者名
      Shion Kono
    • 学会等名
      EAJS2023, the 17th International Conference of the European Association for Japanese Studies
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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