研究課題/領域番号 |
20K00320
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研究機関 | 清泉女子大学 |
研究代表者 |
藤井 由紀子 (青谷由紀子) 清泉女子大学, 文学部, 准教授 (70551943)
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研究分担者 |
中川 真弓 国際日本文化研究センター, 研究部, 日本学術振興会特別研究員(RPD) (20420416)
丹下 暖子 昭和女子大学, 人間文化学部, 講師 (40726650)
箕浦 尚美 同朋大学, 文学部, 准教授 (70449362)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 中世王朝物語 / ジャンル横断 / 木幡の時雨 |
研究実績の概要 |
本年度は研究計画の二年目にあたる。当初の予定では、対面での研究会を行う予定であったが、昨年度同様、コロナ禍により出張が難しい状況であったため、以下2回の研究会をオンライン(Zoom)で行った。 ▼第3回ミーティング(2021年8月11日(水)10:00~12:00):注釈対象とした『木幡の時雨』について、問題点の洗い出しを行った。先行研究の整理を行うと同時に、いくつかの要素(舞台や設定など)についての検討が必要であることを確認した。 ▼第4回ミーティング(2022年3月17日(木)10:30~12:30):前回ミーティングで課題とした要素のうち、「双子」の設定について、『苔の衣』との比較検討の結果を共有した。また、具体的な注釈作業に向けて、次回までに注釈を付ける箇所を決定し、藤井がたたき台を作った上で、各自が問題となりそうな箇所をピックアップしてくることを確認した。 また、研究成果としては、藤井が『異貌の『源氏物語』』(武蔵野書院 2021年5月)を刊行し、第Ⅳ章において、「妊娠」というテーマにおける中世王朝物語と説話との比較検討を行った。また、丹下が、16th International Conference of the European Association of Japanese Studies(2021年8月)で「The Tale of Sagoromo in The Poetic Memoirs of Lady Daibu」と題する研究発表を行い、『建礼門院右京大夫集』における『狭衣物語』受容例を指摘した。いずれも、ジャンル横断的な研究であり、本科研の課題を考える際の土台となるものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度と同じく、コロナ禍における大学での各種対応が多忙を極め、研究に専念する時間が十分に取れなかったため。出張もできない状況が続き、予定していた研究会もオンラインで実施することしかできなかった。ただし、具体的な注釈作業に着手する準備は整い、来年度以降は、遅れを取り戻すことができると考える。
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今後の研究の推進方策 |
『木幡の時雨』の注釈作業を進めていく。 次年度(8月後半に実施予定の研究会まで)に注釈を付ける範囲は、既に確定したため、それぞれに注釈作業を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度も、前年度にひきつづき、コロナ禍により出張が難しい状況にあり、対面での研究会が開催できなかったため、出張費が消化されなかったところが大きい。 次年度は、対面での研究会や、研究調査を実施する予定であるため、助成金も計画通りに使用できると考えている。
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