研究課題/領域番号 |
20K00323
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
松本 和也 神奈川大学, 国際日本学部, 教授 (50467198)
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研究分担者 |
西村 将洋 西南学院大学, 国際文化学部, 教授 (70454923)
山本 亮介 東洋大学, 文学部, 教授 (00339649)
若松 伸哉 愛知県立大学, 日本文化学部, 准教授 (40583802)
五味渕 典嗣 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (10433707)
渋谷 豊 信州大学, 学術研究院人文科学系, 教授 (70386580)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 『Contemporary Japan』 / 『英語研究』 / フランス文学受容 / 谷崎潤一郎 / 横光利一 / 石川淳 / 火野葦平 / 石坂洋次郎 |
研究実績の概要 |
本研究では、アジア太平洋戦争末期から戦後という歴史的条件下における文学言説について、多角的な研究を進めた。 第一に、文学(研究)者が、どのように外国語・外国語文学を受容し、また、文学的営為を継続していたのかについて、同時代の資料に即した調査・分析を進めた。ヨーロッパに関しては、戦時下から戦後にかけて、中村光夫の評論に見られる連続性を考察し、夏目漱石や谷崎潤一郎らの作家像が、西洋近代や日本に関するイメージと、どのように結びついていたのかを明らかにした。イギリスに関しては、英語研究・学習誌『英語研究』(研究社)について、戦前・戦中期の英学・英語教育の動向等を踏まえながら、その編集方針および記事内容を調査した。特に時局下に掲載された古典文学翻訳テキストの意味を考察した。フランスに関しては、太平洋戦争期におけるフランス文学受容の実態と意義を明らかにするため、当時の日本におけるフランスのイメージを、同時代の新聞、雑誌の記事ならびに後のフランス文学者たちの回想記を主な手がかりに再構築した。また、太平洋戦争中のフランス語教育の実情を検証し、日本人が抱くフランスのイメージにもフランス語教育の実際にも、仏印の存在が大きな影響を与えていることが確認できた。ほかに、昭和10年前後のフランス人作家・アンドレ・ジイドの日本における受容のあり方について、石川淳と小松清といった作家・フランス文学者の言説を中心に考察した。 第二に、世界戦争が不可逆的な展開をみせる太平洋戦争末期、南方からの帰還作家や地方に疎開した文学者の文学活動、さらには、逐次刊行物の印刷・発行状況との関連などについて調査した。具体的には、横光利一、石坂洋次郎、火野葦平などの文学活動を検証した。
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