研究課題/領域番号 |
20K00332
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
岩本 晃代 崇城大学, 総合教育センター, 教授 (20209406)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 村野四郎 / 『体操詩集』 / オリンピック / 修身教育 / 四季派 |
研究実績の概要 |
初年度にあたる当該年度においては、文献整理用のパソコン及びプリンタを購入し、すでにライセンスを得ているデータベースソフトを利用して、計画していた、全集等に未収録の新資料である村野四郎の初期作品(主として自由律俳句)の整理を行った。これらの新資料は、本研究のテーマである『体操詩集』に至るまでの文学的プロセスを評価するうえで極めて重要なものである。これまで『村野四郎全詩集』の年譜には数句の自由律俳句が紹介されていたのみであったが、今回収集できた句が100句以上にも及んだこと、さらに発表雑誌や年譜の記述にいくつかの誤りがあることが明確となったことも成果の一つであると思われる。以上については、令和3年度に資料編として活字にまとめる予定である。 なお、当該年度の後半に予定していた『体操詩集』の作品研究については、新型コロナウイルス感染症拡大のために、参考文献として必要である同時代の関係資料の調査を進めることが難しかった。よって、国会図書館で公開されているデジタル図書を利用して、可能な範囲で文学系・教育学系の参考図書を閲覧しつつ、リストアップした一部の図書を購入した。それによって『体操詩集』に最も影響を与えたと思われるリンゲルナッツ関連書籍、体操史関連書籍については一部購入することができ、現在、分析中である。それらを分析するなかで、今後さらに関連図書のリストアップを行い、作品研究に必要な文献の収集に努める計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症拡大によって、調査研究のための出張ができず、参考文献の収集、作品年譜作成のための新資料の発掘が極めて困難であったため。
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今後の研究の推進方策 |
詩や訳詩、散文等を含めた戦前期の作品年譜については、全体的な資料編としての活字発表は予定通り最終年度とし、貴重な新資料である令和2年度に整理した俳句作品を、初期作品資料編として独立させて先に活字化する予定である。 2年目にあたる令和3年度においては、『体操詩集』を政治的・歴史的視座から検証する予定であったが、参考資料の調査が遅れていることから、初年度後半に予定していた作業を行ったうえで進めることとしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費として計上していた額についてはほぼ計画通り使用することができたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により調査研究及び学会等に行くことができず、旅費を使用することができなかったために次年度使用額が発生した。文献調査については、出張が可能になるまで電子図書館を利用する等の工夫をして研究を進める計画である。
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