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2022 年度 実績報告書

古代・中世日本における廃墟の文化史

研究課題

研究課題/領域番号 20K00337
研究機関東京大学

研究代表者

木下 華子  東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (10609605)

研究分担者 山本 聡美  早稲田大学, 文学学術院, 教授 (00366999)
堀川 貴司  慶應義塾大学, 斯道文庫(三田), 教授 (20229230)
渡邉 裕美子  立正大学, 文学部, 教授 (30713078)
陣野 英則  早稲田大学, 文学学術院, 教授 (40339627)
山中 玲子  法政大学, 能楽研究所, 教授 (60240058)
梅沢 恵  神奈川県立金沢文庫, 学芸課, 主任学芸員 (60415966)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード日本文学 / 美術史学 / 中世 / 中国 / 日本文化史
研究実績の概要

2022年度も定例研究会や各種の打ち合わせにおいては参会することがかなわず、web会議システムを用いての開催となった。しかし、下に記す共同調査と国際シンポジウムについては、実地・対面での実施が可能となった。
定例研究会としては、陣野英則「平安後期物語文学の廃墟的な場──『浜松中納言物語』と『堤中納言物語』の場合──」(2022年6月24日)を行った。また、研究成果の社会への還元を企図し、神奈川県立金沢文庫において特別展「廃墟とイメージ─憧憬、復興、文化生成の場としての廃墟─」(2023年9月29日~11月26日)を開催することを決定、現地での資料調査を実施した(2022年9月7日)。
さらに、最終年度に当たり、本研究の総括としての国際シンポジウム「古代・中世日本における廃墟の文化史」(2023年3月18日、於:早稲田大学)を開催した。本研究構成員の発表は、陣野「『うつほ物語』と『源氏物語』における廃墟的な場」、渡邉「廃墟と詠歌」、木下「歌枕と廃墟」、堀川「五山文学における廃墟の表象」、山本「経説と廃墟」、梅沢恵「『一遍聖絵』に描かれた荒廃する社」、山中玲子「能〈融〉が描く場」である(副題省略)。加えて、マリア・サルバドール(ハーバード大学博士後期課程)の発表「From Ruins to Salvation Death and Hell in the Kasuga Faith」、及び、ハルオ・シラネ(コロンビア大学)と佐藤直樹(東京藝術大学)をコメンテーターに招いてのディスカッションを行い、国際的・学際的な廃墟研究の可能性を共有した。
過去2年の「廃墟」の表象研究を踏まえ、文化の再生・胚胎を可能とする「廃墟」の文化的・歴史的機能が明らかになった。対象としての「廃墟」を、学術研究の枠組みとして定位・共有できる段階に発展させたことは、本年度の大きな前進と成果であったと考えている。

  • 研究成果

    (21件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 3件、 招待講演 8件) 図書 (1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [雑誌論文] 《半蔀》の小書「立花供養」の諸相2023

    • 著者名/発表者名
      山中玲子
    • 雑誌名

      能楽研究

      巻: 47 ページ: 115-141

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 吉備真備の才藝と本朝仏神の感応 ─「吉備大臣入唐絵巻」 の構造─2023

    • 著者名/発表者名
      山本聡美
    • 雑誌名

      早稲田大学大学院文学研究科紀要

      巻: 68 ページ: 774-756

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 聖衆来迎寺本「六道絵」と如法経供養の儀礼空間―閻魔堂建築から「閻魔王庁幅」への中世的展開―2023

    • 著者名/発表者名
      山本聡美
    • 雑誌名

      美術研究

      巻: 438 ページ: 81-100

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 『海道記』の叙述方法──古典引用と和歌を中心に2022

    • 著者名/発表者名
      木下華子
    • 雑誌名

      国語と国文学

      巻: 99(8) ページ: 21-37

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 唐物としての書と書物―無学祖元を例に2022

    • 著者名/発表者名
      堀川貴司
    • 雑誌名

      アジア遊学

      巻: 275 ページ: 245-255

  • [雑誌論文] 描かれた歌枕ー歌と絵を同時に鑑賞するということ2022

    • 著者名/発表者名
      渡邉裕美子
    • 雑誌名

      サントリー美術館『歌枕 あなたの知らない心の風景』

      巻: なし ページ: 9-15

  • [雑誌論文] 『百人一首』と歌仙絵2022

    • 著者名/発表者名
      渡邉裕美子
    • 雑誌名

      『百人一首の現在』

      巻: なし ページ: 146-183

  • [雑誌論文] 「円覚寺の文化財─宝物が語る円覚寺史─2022

    • 著者名/発表者名
      梅沢恵
    • 雑誌名

      國華

      巻: 1519 ページ: 25-37

  • [雑誌論文] 「鎌倉の「唐物」─金沢北条氏ゆかりの称名寺伝来品─2022

    • 著者名/発表者名
      梅沢恵
    • 雑誌名

      アジア遊学

      巻: 275 ページ: 59-83

  • [雑誌論文] 試論《源氏物語・少女》中的漢詩文引用―以引用陸機《豪士賦序》的意義爲例―2022

    • 著者名/発表者名
      陣野英則(馬如慧 訳)
    • 雑誌名

      『文獻・文學・文化: 中日古典學交流與融通工作坊論集』

      巻: 1 ページ: 130-135

  • [学会発表] パフォーマンスの規則と記録2023

    • 著者名/発表者名
      山中玲子
    • 学会等名
      日本古典籍セミナー「パフォーマンスと表象」
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 軍記と女性―建礼門院六道語りと中世合戦図2023

    • 著者名/発表者名
      山本聡美
    • 学会等名
      総合女性史学会2022年度大会 危機・ジェンダー・表象の歴史学―描く女/描かれる女
    • 招待講演
  • [学会発表] 図像の生命誌―意味と形のあわい―2023

    • 著者名/発表者名
      山本聡美
    • 学会等名
      名古屋大学人文学研究科附属人類文化遺産テクスト学研究センター「宗教遺産をめぐる真正性―宗教遺産テクスト学の発展的展開―」
    • 招待講演
  • [学会発表] 『方丈記』「都遷り」の生成と遷都をめぐる表現史2022

    • 著者名/発表者名
      木下華子
    • 学会等名
      説話文学会
    • 招待講演
  • [学会発表] 歌枕の魅力ー時空を超える”旅”2022

    • 著者名/発表者名
      渡邉裕美子
    • 学会等名
      サントリー美術館講演会
    • 招待講演
  • [学会発表] 修羅と鎮魂の六道語り2022

    • 著者名/発表者名
      山本聡美
    • 学会等名
      海の見える杜美術館「平家物語絵」展記念講演会「描かれた平家物語」
    • 招待講演
  • [学会発表] 愛執と闘諍の図像―中世文学と仏教説話画2022

    • 著者名/発表者名
      山本聡美
    • 学会等名
      中世文学会春季大会 シンポジウム「中世文学と絵画」
    • 招待講演
  • [学会発表] Buddhism and Court Art: The Sacred and Secular in Japanese Medieval Arts2022

    • 著者名/発表者名
      山本聡美
    • 学会等名
      5TH SWISS CONGRESS FOR ART HISTORY
    • 国際学会
  • [学会発表] 善知識としての災厄―仏教美術と疫病2022

    • 著者名/発表者名
      山本聡美
    • 学会等名
      朝鮮大学校 災難人文学研究事業団 《東アジアの災難に関する研究ネットワーク構築事業/国内外優秀学者特別講演》
    • 国際学会 / 招待講演
  • [図書] 堤中納言物語論 読者・諧謔・模倣2022

    • 著者名/発表者名
      陣野英則
    • 総ページ数
      320
    • 出版者
      新典社
    • ISBN
      4787943529
  • [学会・シンポジウム開催] 国際シンポジウム「古代・中世日本における廃墟の文化史」2023

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公開日: 2023-12-25  

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