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2022 年度 研究成果報告書

〈文化主義〉による〈国民文化〉と〈地方文化〉の展開――嶺雲・小波・竹風を中心に

研究課題

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研究課題/領域番号 20K00339
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02010:日本文学関連
研究機関岐阜大学

研究代表者

林 正子  岐阜大学, 地域科学部, 非常勤講師 (30198858)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード国民文化 / 地方文化 / 文化主義 / 田岡嶺雲 / 巌谷小波 / 小木曾旭晃 / 木村小舟 / 森鴎外
研究成果の概要

本研究では、近代日本の〈文化主義〉提唱におけるドイツ思想・文化からの影響と、地方文化と国民文化の関係性の一端を明らかにした。具体的には、田岡嶺雲が社会批評家・詩人としてのハイネ像をもとに展開した日本文明批評や、巌谷小波のお伽噺におけるメルヘンの影響について論じた。併せて、巌谷小波と木村小舟の作品を分析することによって、中央文壇からの地方文壇への影響の一面を明らかにした。関連して、小木曾旭晃の雑誌『地方文化』における地方文化論の有意義性を論じた。
さらに、森鴎外の「標準於伽文庫」編纂の意義を論じ、鴎外文学の登場人物の内面を投影する「分身」的存在についてハイネとの類縁性を明らかにした。

自由記述の分野

日本近代文学

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究は、田岡嶺雲、巌谷小波、森鴎外らの論説・作品をドイツ思想・文化の受容の観点から考察する研究である。近代日本のドイツ系知識人たちによる〈文化主義〉提唱について、文学ジャンルにおいては(鴎外を除き)まとまった研究はなされていない現状において、先駆的な意義を有すると言える。
また、大正期の〈文化主義〉隆盛を受けての〈地方文化〉と〈国民文化〉の関係性を、岐阜県出身の文化人、小木曾旭晃、木村小舟の論説によって明らかにすることも、従来の研究にはなかったテーマである。ローカル・メディアが〈中央〉のジャーナリズムに対するオルタナティヴとして機能していたことを論じたことは、社会的な意義を有すると考える。

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公開日: 2024-01-30  

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