1995年1月の阪神淡路大震災、2011年3月の東日本大震災・東京電力福島第一原子力発電所爆発事故によって、史料のデジタル複製とそのコピーを分散させて保存を図るべきことの重要性は、ひろく社会的に認知された事柄であると考える。国文学研究資料館の「国書データベース」をはじめとして、江戸時代・近世期の史料のデジタル画像の公開は加速しているが、現状はたとえば浄瑠璃本『仮名手本忠臣蔵』の初板本はどの所蔵機関のどの請求番号の本なのかなどの検索の方途が未整備な状態である。本研究課題が提供する浄瑠璃本と番付のデータベースは、索引・メタデータとして機能する点に学術的・社会的意義を有すると自負するところである。
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