研究課題/領域番号 |
20K00348
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
倉員 正江 (長谷川正江) 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (70307817)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 小早川能久 / 小幡景憲 / 香西成資 / 寿林 / 毛利秀元 / 小早川隆景 / 朝鮮出兵(壬申倭乱) / 宝永落書 |
研究成果の概要 |
甲州流軍学者小早川能久編写本『翁物語』の諸本調査や、能久の弟子香西成資著『武田兵術文稿』刊行に至る事情を考察し、泰平の世において武辺話を語り継ぎ出版する意識を考察した。そこには戦国末期から近世初頭における諸将の活躍を家門の武功として顕彰し、戦乱の世の教訓を平和な時代に回顧する意識が見られる。それにとどまらず、豊臣秀吉の朝鮮出兵に対しては、従軍した武将の活躍と同時に、人民の疲弊と厭戦感も併せて記述し、その無謀さを批判していることが認められる。成資が、福岡藩儒貝原益軒との交流の中でそうした共通認識に至った可能性を指摘した。
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自由記述の分野 |
日本近世文学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
『翁物語』の諸本は錯綜しており未見の本もあるが、異本・改題本などの整理が進んだことは、今後に向けて有意義であった。小早川能久の伝記についても、毛利家の兄弟姉妹等家族・親戚関係、特に従姉に当たる大奥の老女寿林との関係、師匠小幡景憲・門人成資との交流など、時代の転換期に生きる軍学者の実像につき、かなりの新知見を得られた。 「宝永落書」についての考察は当初の計画外ではあったが、中世とは異なる近世期の落書の性格と武家社会における情報伝達、加えて甚大な自然災害からの復興と「世直し」願望といった、現代社会にも通じる要素を指摘することができた。
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