研究課題/領域番号 |
20K00371
|
研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
佐藤 賢 東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (50726487)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 中国ドキュメンタリー映画 / 中国映画 / 中国語圏の映画 / 東アジア映画 / 映画と社会 |
研究実績の概要 |
2020年度は、新型コロナウイルス感染症拡大という状況の中で次の研究活動を行なった。 ①中国インディペンデント・ドキュメンタリー映画の批評に関する資料の収集と整理を行なうとともにその知見から中国のドキュメンタリー映画作家・王兵に関する書籍『ドキュメンタリー作家 王兵』(土屋昌明・鈴木一誌編著、ポットプラス出版、2020年3月)について書評「歴史的、いや、あまりに映画的な」『図書新聞』(3455号、2020年7月4日)を執筆した。 ②映画および映画批評に関する知見を深めるとともに研究グループの形成を目的として、隣接領域の研究者を招聘し次の研究会を開催した。2021年1月8日(金)、中国映像文化論研究会、場所:オンライン開催、講演者と題目:丸川哲史「東アジア映画と土地改革」。以上の講演により、創作と批評の関係性の中国的文脈を明らかにする上での方法論上の示唆を得た。 ③次の研究会に参加し、日本のドキュメンタリー映画作家・土本典昭の上映運動を中心とした映画活動と少数民族地区での映像教育活動やドキュメンタリー映画祭を基盤とした中国雲南におけるドキュメンタリー映画活動との関係性について次の研究発表を行った。2021年2月23日(火)、中国モダニズム研究会2月例会、場所:オンライン開催、題目:「中国独立ドキュメンタリーと雲南」。質疑応答の中で「中国インディペンデント映画」の定義をめぐる問題などについて示唆を得た。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の拡大にともなう海外渡航制限により、中国現地での研究調査および中国からの映画監督・研究協力者の招聘が行えず、当初予定していた国際ワークショップを開催することができなかった。また、国内においても新型コロナウイルス感染症の拡大により、映画上映を含む研究会が開催できなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの感染状況を見極め、可能であれば中国現地での研究調査を行ない、また中国から映画監督・研究協力者を招聘し、国際ワークショップを開催する。引き続き、中国インディペンデント・ドキュメンタリー映画の批評に関する資料の収集と整理を行ない、中国インディペンデント・ドキュメンタリー映画における創作と批評の関係性について研究を進めるが、視野を広げて文学研究的なアプローチも試みたい。さらに、積極的にオンライン研究会を開催することにより、映画および映画批評に関する知見を深め、本研究課題を推進する上で方法論上の示唆を得るとともに、研究グループの形成を図りたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の拡大にともなう海外渡航制限により、当初予定していた中国現地での研究調査および中国からの映画監督・研究協力者の招聘を行なうことができなかったため。今後、新型コロナウイルス感染症の状況を見極め、可能であれば中国現地での研究調査および中国からの映画監督・研究協力者の招聘を行なう。また、日本国内において研究調査を進めていく。
|