研究課題/領域番号 |
20K00373
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研究機関 | 國學院大學 |
研究代表者 |
牧野 格子 國學院大學, 文学部, 准教授 (10459000)
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研究分担者 |
宮本 めぐみ お茶の水女子大学, 文教育学部, アカデミック・アシスタント (40711354) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 中国文学 / 中国近現代文学 / 中国近現代史 / 謝冰心 / 呉文藻 / 思想改造 / 反右派闘争 / 文化大革命 |
研究実績の概要 |
今年度もコロナウィルス蔓延、中国のゼロコロナ政策の影響を受け、現地調査は行えなかった。しかし、それまでに得た資料メモを基に、謝冰心、呉文藻の日記解読をネイティブの協力を得ながら進めた。 2023年2月26日には、オンラインで「中国作家の1950年代」というシンポジウムを行った。講演者に王炳根先生(元・冰心文学館館長)、岩佐昌暲先生(九州大学名誉教授)をお招きして、それぞれ、呉文藻、謝冰心の反右派闘争時期、郭沫若の1950年代の活動などについて、ご講演いただいた。謝冰心、郭沫若はいずれも反右派闘争時期比較的過ごしたとされるが、実際の状況について詳細に説明がなされた。今後の当該研究課題に大いに示唆を与えるものとなった。 今後は謝冰心の日記に記された周恩来など著名人による講演のメモ、資本主義の萌芽論争、紅楼夢批判についてのメモなどを中心に解読、調査を進め、成果を出したいと考えている。 当初課題として掲げた、1、謝冰心と呉文藻が受けた思想改造教育とは如何なるものであったか、2、思想改造教育は、謝冰心文学に如何なる影響をもたらしたか、の問題の解明に関しては、今年度末までにはその道筋が見えてきている。最終的な問題として掲げた、3、呉文藻はなぜ右派に認定され、謝冰心はなぜ認定されなかったか、に関しては、王炳根氏の講演の中で、その経過、理由が示され、重要なヒントとなった。また、4、1950年代からの日中友好運動において謝冰心は如何なる役割を担っていたのか、に関しては、来年度の中心課題として解明に努めたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度も中国への渡航が実施できず、研究費がまだ残っている。今後は、現地での資料閲覧と調査を実施し、旅費と執行する予定である。さらに、解読・翻訳を進め、研究論文の執筆など成果を出したい。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、現地での資料閲覧、調査を実現し、さらに日記の解読を進めていく。研究代表者の研究論文執筆のほかに、2023年2月に開いたシンポジウムの資料集も作成したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウィルス蔓延、中国のゼロコロナ政策の影響で、旅費の執行が出来なかったため。次年度は、旅費と謝金執行を予定している。
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