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2021 年度 実施状況報告書

ヴィクトリア朝におけるアングロ・サクソニズム生成の背景に関する総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K00403
研究機関立命館大学

研究代表者

金山 亮太  立命館大学, 文学部, 教授 (70224590)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードアングロ・サクソニズム / ジャーナリズム / ゲルマン主義 / 優生学
研究実績の概要

2021年度は目に見える形での研究実績をあげることができなかった。資料の読み込みおよび新規購入などはある程度行うことができたものの、アウトプットする余裕がなかった。
ただし、これまでに発表したアングロ・サクソニズムに関する論文をまとめて単著として発表するために全体構想を見直すことができ、章立てなども確定できたことは次年度に繋がるものと思われる。具体的には、アングロ・サクソニズムに関する最新の知見などを取り入れた序論および人種主義、優性思想などに関する代表的な著作に対する批判的分析の章の準備が進んでおり、これらは2年後に最終報告を提出する際に単著の形で結実させることができるものと期待している。
また、出版が遅れていた19世紀ジャーナリズムの翻刻版が2022年度中に刊行される見込みが立ったことも研究を推進させるうえで大きな影響がある。2020年の秋には入手できるはずだったこの資料の刊行が遅れたのは新型コロナ禍の影響であると考えられる。
もう一つの問題は、紙媒体から電子媒体へと文書保存の方式が変化するにつれ、デジタル資料の価格が高騰し、申請書を書いた段階とは比べ物にならないほど高い値段で一括購入を迫られるようになったことであり、これが研究にブレーキをかける要因となっている。従来は紙媒体の資料を「分売」という形で数年をかけて購入するというやり方が可能であったが、大型予算を使って購入するとなると、科研費の単年度予算では賄えないことがあり、こういった点の解消も今後の課題である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナ禍の下、国内出張や海外出張の見通しが立たず、資料収集や現地での取材が十分にできないことが最大の理由である。購入すべき資料の出版が遅れるといった事例も複数あり、全体的に停滞気味の1年であった。2020年度に2本の成果をあげることができたものの、今年度は足踏み状態だったことを認めざるを得ない。
また、オンライン対応による授業負担増だけでなく、学内の運営業務(学域長および専攻主任)に加え、所属学会のうちの4つにおいて別個の役職(全国大会準備委員長、論集編集委員長、事務局長、編集担当理事)を務めていたことから、十分な時間を研究に割くことができなかったことも研究が進まなかった要因である。

今後の研究の推進方策

2022年度は1年間の学外研究期間を得ることができたため、2段階に分けて研究のキャッチアップを目指す。前期はインプット、後期はアウトプットが中心となる。
春学期中は勤務校の図書館を使ってこれまでに購入した資料の読み込みやメモ作成を行い、秋学期中は東京都立大学の客員教授として、主に図書館を利用させてもらいながら単著の執筆に充てる予定である。
具体的には6月に締切の論文を1本、9月に締切の論文を1本執筆するとともに、海外のジャーナルに論文を1本投稿する。このうち、前者の2本については昨年度中にある程度準備が進んでいたが、時間切れとなったために投稿を断念している。これとは別に『サヴォイ・オペラ』全訳の完成および研究書『サヴォイ・オペラの時代』の執筆を行うが、特に後者については再来年度の出版助成に間に合わせるべく、夏季休暇中に初稿を書き上げる予定である。なお、本来ならば次年度は夏季に海外出張を予定しているが、これについてはまだ不透明な部分が多い。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナ禍の影響で①出版予定の資料が未刊行、②資料収集のための国内出張を自粛、③各種研究会・学会出張を自粛、などの理由により、直接経費が40万円ほど未執行のままとなった。
次年度の夏には海外出張を予定しているが、ウクライナ情勢などの影響も含め、英ポンドの上昇が見込まれるため、未執行分の一部は航空運賃やイギリス滞在費の不足分に充てることになる。その残りについては、本来過去2年間に購入されるはずであった文献が出版され次第、順次購入手続きを進める予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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