研究課題/領域番号 |
20K00404
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研究機関 | 甲南女子大学 |
研究代表者 |
ウォント 香織 (ウォント盛香織) 甲南女子大学, 国際学部, 教授 (30348908)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | アジア人国際養子 / アジア系アメリカ文学 / ウェルビーイング / ハーグ条約 / ジェンダー |
研究実績の概要 |
2021年度は、読み進めたアジア人国際養子を扱った文学作品の分析や、歴史的背景を調査した結果を積極的に国際・国内学会、学術論文で発表した。また、「研究実施計画」で記述したハーグ国際養子条約とアジア人国際養子に関する調査も進めた。 口頭発表としては、「国際養子となった戦後混血児研究:当事者の視点から」を2021年9月に日本比較文化学会第43回全国大会で発表した。この発表では、戦後日本において、混血児の国際養子縁組が始められた歴史的背景をまとめた上で、混血孤児の養護施設であったエリザベス・サンダース・ホームから、アメリカに国際養子に出された混血児の当事者言説をまとめた、『子供たちは七つの海を越えた』を参照し、当事者に関する分析を試みた。 「 On Transnational Asian Adoptees’Self-Determination for Cultural Identification」を2021年10月に、9th International Conference on Modern Approach in Humanitiesで発表した。この発表では、Greg Leitich Smithの Ninjas, Piranhas, and Galileoの主人公であるアメリカ人白人家庭に養子となった日本人少年の、養親とのかかわりを分析することで、アジア人国際養子にとっての文化的同一化とは何かを分析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
文学作品を読み進めることができ、またアジア人国際養子に関する歴史背景の調査も進んだ。調査の中で、アメリカ中西部にある大学図書館が、戦後アジア人国際養子に関する文書を大量にストックしていることがわかった。外部からアクセスできないので、2022年度渡航ができるようであれば、そこで研究活動ができると、本研究の大きな進展につながる。ハーグ国際養子条約に関する論文もかなり読み進められ、2022年5月の学会で論考を発表予定である。「研究実施計画」に載せた事項がかなり2021年度は進められたので、2022年度も続けていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度も文学作品を読み進めていく。アジア人国際養子を扱った作品は決して多くないが、児童書、白人の養親が書いた書物など、範囲を広げて文献調査を実施していく予定である。このように進めることで、アジア人国際養子というこれまでのアジア系アメリカ文学でほとんど議論されてこなかった人々に関する言説の豊かさを示す研究を推し進めていく。 課題としては、アメリカでのリサーチが進まないことであるが、2022年度アメリカの研究機関に可能であれば行きたいと思う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスのため当初予定していたアメリカでの調査のための渡航費用を使用することができなかったため。
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