イギリス・ロマン主義時代の女性のセクシュアリティ研究は1980年代にはじまり、多数の先行研究があるが、性の教育についての考察はまだ未着手だった。従って、本研究は、ヴィクトリア朝以降の性教育関連に目を向けた最新の性教育史研究を補う学術的意義を持つ。また、医学書や性の手引き書などが性の教育に果たした役割に注目する本研究は、女性や子ども向けの教育関連のテクストの読み直し、女性の身体教育や健康教育など、新たな課題への取り組みを促すものであり、ロマン主義時代の文化・文学研究の発展にも大いに寄与するものである。
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