研究課題/領域番号 |
20K00438
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
林 千恵子 京都工芸繊維大学, 基盤科学系, 教授 (10305691)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | アラスカ先住民族 / クリンギット(トリンギット) / ノーラ・マークス・ダウエンハウアー / 口承物語 / 文化の発信 / 民族共生 / 地名研究 / 先住民文化 |
研究成果の概要 |
ノーラ・マークス・ダウエンハウアー(1927-2017)はアラスカ先住民クリンギット(トリンギット)の口承物語研究の著作を出版する一方、講演やラジオ等、様々な機会を通じて伝統文化の解説を行った。本研究は、ダウエンハウアーの文化解説の特徴や社会活動の内容と影響を明らかにし、文化理解促進に成功した要因を明らかにするものである。研究の結果、革新的な作品による読者の獲得、作品と様々な社会活動の相互作用、偏見をもつ異文化の人々などへの地道な文化教育の実践、活動を通じての社会事情への精通、文学者の洞察力による文化解釈などが、ダウエンハウアーによる文化理解促進の成功要因であることが明らかとなった。
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自由記述の分野 |
北米先住民文学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ノーラ・マークス・ダウエンハウアーは夫リチャードとともに、アラスカ先住民クリンギット(トリンギット)の文化・言語の研究を牽引し、著作は学術的に高い評価を得てきた。しかし、著作や活動が社会や人々の意識にもたらした変化は注目されてこなかった。本研究は、ダウエンハウアーが行った多様な活動の詳細を明らかにし、地域社会全体で先住民文化理解が育まれていった過程を解明した点で重要である。現在、世界で民族間対立が頻発し、戦争回避と社会安定のために異文化理解教育がますます重要となっている。本研究で明らかとなったダウエンハウアーの地道な社会活動や著作の工夫などは、異文化間理解成功への重要な手がかりとなる。
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