研究課題/領域番号 |
20K00455
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
澤田 敬司 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (50247269)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 演劇 / 先住民 / 難民 / 修復的司法 / オーストラリア |
研究実績の概要 |
前年度に実現した、オーストラリア戯曲の日本上演について収集した資料を元にして、それぞれ論考を発表した。俳優座『対話』公演については、論文「デヴィッド・ウィリアムソン『対話』―修復的司法と演劇の挑戦」を発表し、日本演出者協会『カウンティング&クラッキング』朗読公演については、「三世代の人々の生き様を描く壮大な物語―S・シャクティダラン『カウンティング&クラッキング』」を、単行本『移動と境界:越境者からみるオーストラリア』に寄稿した。また、先住民のストーリーテリングに関する知見を、「書評『地平線の叙事詩』」として学会誌に寄稿した。他の出版物としては、翻訳戯曲集リア・パーセル他『家畜追いの妻/パラマタ・ガールズ』を刊行した。また、毎日新聞(全国版)「発言」欄に「歴史語り直す先住民演劇」を寄稿し、また24年2月には先住民俳優・劇作家・映画監督のリア・パーセルを迎えた「オーストラリア先住民映画祭」のアドバイザーとして、先住民の歴史の語り直しについてレクチャーを行うなど、アウトリーチに努めた。 オーストラリア戯曲の上演は、23年4月にD・ウィリアムソン『クラブ』、24年1月にM・カナモリ『ヤスキチ・ムラカミ:遠いレンズを通して』、2月にA・ボヴェル『闇の河』の上演が実現された。特に大阪大学中之島センターで上演された『ヤスキチ・ムラカミ』では、作者・制作者とシンポジウムを行った。 9月17日~27日オーストラリアに研究出張し、ニューサウスウェールズ、クィーンズランド、ヴィクトリアで、演劇関連資料を収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
23年度には、オーストラリア戯曲の日本上演が2作品実現した。また24年度にも上演の準備が進んでいる。計画には無かった「オーストラリア先住民映画祭」への専門家としての参加によって、代表的先住民劇作家リア・パーセルと知己を得ることが出来、またパーセルの代表作『家畜追いの妻』の翻訳書も出版することが出来た。これらは計画にはなかった進展である。 また22年度に実現していた複数の上演についても、それらの論考を発表することが出来た。さらに24年度の上演作品についても、論考を発表する準備を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度である24年度には、オーストラリア戯曲の古典的名作と言われる『ゴールデン・エイジ』の日本初上演が実現する予定である。上演にあたっての重要な論点をまとめた論考を発表する準備を進めている。また、本研究終了後の25年度に上演される『家畜追いの妻』『ボーイ・オーバーボード』についても、ドラマトゥルクとしての準備を進めることで、本研究の成果に加える。本研究全体の成果をまとめるために、24年度9月にオーストラリアで資料収集を行う。特に『ヤスキチ・ムラカミ:遠いレンズを通して』は、単行本にその成果をまとめるための準備を行う。
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