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2023 年度 実施状況報告書

和解と融和の可能性を探求する新しいタイプの21世紀英語戦争文学の研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K00456
研究機関椙山女学園大学

研究代表者

戸田 由紀子  椙山女学園大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (40367636)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワードワラン・カラセガラン / シンガポール / 戦争の記憶 / 和解 / アジア太平洋戦争
研究実績の概要

21世紀に入り、アジア太平洋戦争における日本の植民地主義を描いた英語文学作品が欧米やアジア諸国で次々と出版されている。本研究は、それらが、和解と融和の可能性を探求する新しいタイプの英語戦争文学と言えるのではないかということに着目する。本研究の目的は、それを検証するために、カナダ、シンガポール、マレーシア、 イギリスの「新しいタイプ」の英語戦争文学を取り上げ、日本の東南アジア占領とその記憶がどのように「再構築」されているか、その物語や語りの技法と構造を分析し、従来の糾弾型戦争文学と比較して、被抑圧者と抑圧者の関係性がどのように表現されているか、それによってどのような政治的主張が表現されているかを考察することである。
当該年度は、日本の占領/植民地支配について描いたシンガポールの英語戦争文学を分析した。シンガポールでの現地調査ではシンガポール国立博物館にて日本の占領と統治時代とその後の日本との関係について専門家より説明を受け、理解を深めた。また専門ガイドとともに、Sook Chingの跡地、血債の塔、市庁舎前広場、日本軍の宣伝工作部本部だったキャセイ・ビル、旧日本人小学校、日本人墓地など、日本占領時代の史跡を巡った。シンガポール国立図書館では、Liu KangのChop Sueyなどの資料を収集した。これら様々な形で記録・記憶されてきた資料やテクストを踏まえた上で、シンガポール作家ワラン・カラセガランのLieutenant Kurosawa's Errand Boyにおいて、日本のシンガポール占領とその記憶がどのように描かれているかを考察した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年度は、日本の占領/植民地支配を描いたシンガポールの英語戦争文学を分析する予定である。シンガポール占領時代の動向を把握するための調査(史跡視察)および資料収集を行った上で、Warran Kalasegaranの Lieutenant Kurosawa’s Errand(2016)が提示する新たな視点と政治的主張について考察できた。

今後の研究の推進方策

2024年度は、「和解と融和の可能性を探求する新しいタイプの21世紀英語戦争文学」について7月には国内で、9月にはシンガポールのFriends of the Museum (FOM)の公開イベント講演会にて発表する予定である。

次年度使用額が生じた理由

研究成果のまとめと成果発表が該当年度内にできなかったため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Exploring Paths to Reconciliation through Narrative--Warran Kalasegaran’s Lieutenant Kurosawa’s Errand Boy: A Novel of Forgiveness2024

    • 著者名/発表者名
      Yukiko Toda
    • 雑誌名

      Language and Expression

      巻: 20 ページ: 3-14

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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