研究課題/領域番号 |
20K00461
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研究機関 | 神戸女学院大学 |
研究代表者 |
古村 敏明 神戸女学院大学, 文学部, 教授 (90632571)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | アメリカ現代詩 / 倫理的共感 / 共感の理論化 / 喪失と悲嘆 / 越境的共感性 |
研究実績の概要 |
2022年度は、(1)アーカイブ調査を含む資料調査、(2)著書原稿及び派生課題の論文執筆、(3)学会での研究発表、を行った。アーカイブ調査については、2022年5~6月に Ohio State University などを訪れた。論文については、現在、関連課題の論文1編が刊行され、もう1編は、非公式のピア・レビューをもとに修正中である。学会発表については、2022年11月に開催された Pacific Ancient and Modern Language Association の年大会にて、"Political Emotions in Critical Times: Twenty-First Century American Poetry and the Poetics of Enactment" といタイトルで、主に2016年以降のアメリカ詩を題材に、compassion fatigue と感情昇華について考察した。2023年3月に開催された Northeast Modern Language Association の年大会にて、世代間を超えて受けつがれるトラウマと共感の倫理性について、"Memory and Empathy: The Reconstructive Reception of Japanese American Internment Camp Poetry" というタイトルの発表をした。2023年1月開催の Modern Language Association の年大会にて、"Suffering of Others and Empathic Community-Making: An Ethical Conundrum of Modern American Poetry" というタイトルで、他者の苦しみを文学で描写する際の倫理的難題について考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は、関連課題の論文1編と発表要旨1編の刊行、及び、学術誌提出前段階にある論文1編の執筆をしたうえ、学会発表は、世界最大級の人文学学会 Modern Language Association の年大会での発表を含む先述の3件に加えて他3件、計6件行うなど、比較的生産的な年度であったと思われる。2022年度もパンデミックの影響はまだ続いていたため、調査しきれていないアーカイブなどは存在するが、本課題及び派生課題での活動は、順調に進展していると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度も引き続き、(1)著書原稿及び派生課題の論文の執筆、(2)アーカイブ調査、(3)資料精査、(4)学会においての研究発表、及び、(5)そのフィードバックを通しての構想チェック、という作業が予定されているが、それに加え、(6)出版社へのアプローチも視野に入る。アーカイブ調査出向は、本年度8月より予定されている。University of Washington への客員研究員出向も、本年度8月に行えるように調整中である。学会参加は、本年度11月に予定されている。関連課題の論文1編は、現在修正中である。出版社とは、2023年3月の Northeast Modern Language Association にて、相談を始めている。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度からの繰り越し、及び、2021-22年度の資料調査などを新型コロナウイルスの影響により一部規模縮小したことにより、それらの活動に予定されていた助成金は未使用となっている。また、本務校の経理区分により、旅費の一部が「その他」として計上されている。2023年度使用計画としては、主に(1)学会参加及びアーカイブ調査のための出張旅費、(2)書籍購入、(3)その他物品購入が予定される。
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