2023年度は、(1)アーカイブ調査を含む資料調査、(2)著書原稿及び派生課題の論文執筆、(3)学会での研究発表、を行った。アーカイブ調査については、2023年8月に、University of Washington、University of Michigan、Ohio State University などを訪れた。著書については、倫理的共感をテーマとした多民族比較詩学分野の共著が、現在進行中である。論文については、他者に対する倫理的共感というテーマの派生主題として、"Ted Hughes’s ‘The Jaguar’ and Animal Ethics" を発表した。学会発表については、2023年3月に開催された Northeast Modern Language Association の年大会にて、"Speech in the Face of Legal Persecution: A Case Study of Mitsuye Yamada and Cherrie Moraga" と "Lyric Poetry and Working-Through" というタイトルの発表をした。 研究期間全体を通じて実施した研究の成果としては、2020年のパンデミック発生によって申請時当初の計画からいくつか変更点が生じたが、先述の、倫理的共感をテーマとした多民族比較詩学分野の共著が、本助成の中心的な成果物となる。助成期間中に研究調査が完了し、現在執筆が進行していること、及び、2023年3月に出版社へのアプローチを開始した際の感触などから、1~3年内の刊行が想定される。他の成果としては、関連課題の論文3件、学会発表7件、学会セッション主催4件、などがある。本助成によって生産的な研究活動ができたことを、心より感謝申し上げたい。
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