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2020 年度 実施状況報告書

現代スペイン語小説における記憶の回復:スペインとチリとペルーの紛争後文学の研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K00470
研究機関大阪大学

研究代表者

松本 健二  大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 准教授 (00283838)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワードラテンアメリカ文学 / スペイン文学 / 記憶表象 / 紛争処理
研究実績の概要

スペイン現代文学関係の該当テーマに関し、ラファエル・チルベス、ダビ・トゥルエバの作品を入手、チルベスに関する博士論文数点を入手して先行研究の整理を行なうと同時にトゥルエバの第一小説『終夜開業』に見られる世代間の記憶継承という問題を考察し、研究ノートとして整理した(未刊行)。チリ現代文学関係の該当テーマに関しては、ロベルト・ボラーニョの中編小説『はるかな星』に現れる空中詩人カルロス・ビーダーの実質上のモデルとなった詩人ラウル・スリータが、ボラーニョの小説が準備されていた時期に刊行したチリの移行期文学の代表作ともいえる詩集『新生』における記憶表象のあり方を検討し、亡命後にメキシコやスペインから軍事政権時代の暴力を様々な形で「外部的に」変奏し続けたボラーニョ作品の記憶表象のあり方と比較し、紛争後の現地に留まって和解プロセスに深くかかわったローカルな作家(スリータ)の文学世界、紛争の現場と距離をとりつつそこで起きた災厄をよりグローバルな時空で小説に昇華させる作家(ボラーニョ)の文学世界との違いを整理し、研究ノートとして整理した(未刊行)。またチリの移行期に生まれた世代を代表する作家パウリーナ・フローレスの短編小説集『恥さらし』の翻訳を刊行し、1980年代以降に生まれてきたいわゆる「独裁を知らない世代」による記憶表象の一例を紹介した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

研究対象地域への渡航ができなくなり、現地での資料調査等に支障をきたし、研究方法や入手資料の大幅な変更を余儀なくされたため。また、オンライン授業の準備に追われてエフォート率が当初想定より低くなったため。

今後の研究の推進方策

基本的に研究計画に則って進めるが、年度内における現地調査の実施が見込めないため、資料の読解と整理、論文刊行を中心に計画の細部を改める。

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公開日: 2021-12-27  

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