研究課題/領域番号 |
20K00480
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
根岸 徹郎 専修大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (90349176)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | フランス文学 / フランス演劇 / 日仏交流 / フランス文化外交 |
研究実績の概要 |
今年度は新型コロナウイルス感染症による世界的規模の感染広がりの影響を受け、当初予定をしていたフランスへの渡航および国内におけるポール・クローデルの外交官および作家としての活動の資料を収集する作業が、ほとんど行えない状況となった。 そうした中、本研究の研究遂行者が主催し2021年3月に開催した「クローデルセミナー2021 クローデルとその時代」(「フランスの対外外交文化政策の一環としてのクローデルの駐日大使赴任に関する調査と研究」および「クローデルの日本論に見られる東洋思想の影響と新トマス主義との関連についての研究」の2つの科学研究費による研究の主催)において、さまざまな分野での研究者と意見、情報の交換を行うことができたことは重要な機会だった。とくに京都におけるクローデルの活動を調査中の、京都大学人文科学研究所とのコンタクトは、本研究にとって重要な示唆に富むものだった。 こうした状況の中で、今年度は研究の目的を資料収集よりも、これまで収集した資料の整理と分析に向けることとし、研究成果の発表を行った。 具体的には、文化外交という観点から、これまで行われてきた日本がクローデルに与えた影響とは逆の観点から、日本がクローデルをどのように評価し、受容したのかというテーマに取り組み、資料の整理と分析を行った。 そのうえで、本研究助成の今年度の成果として、「日本が見たポール・クローデル―クローデルとその作品の日本医おける受容」を『ポール・クローデル 日本への眼差し』において発表することで、日仏間の文化外交におけるクローデルの果たした役割を検証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症蔓延の影響により、フランスへの渡航が実施できず、また国内における移動にも制限がかかり、予定していた十分な資料の調査が行えなかったことが主たる理由である。 また、こうした移動の制限により、直接に専門家と意見交換を行う機会が限定されたことも、研究が遅れていることの原因となっている。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の状況の改善により、フランスへの渡航が可能になった場合には、資料の収集と整理および専門家との意見の交換のために渡仏し、研究の推進を行う。 また、日本国内での移動が現状よりも行いやすい状況になった場合には、主として京都の関西日仏学館設立関連の資料の調査のために、京都を中心とした資料収集を行う予定である。現在、関連資料を整理中の京都大学人文科学研究所とのコンタクトを取り、情報を交換し始めている。 感染症の状況によりフランスへの渡航および日本国内での移動が依然として困難な場合には、インターネットによる専門家との意見交換を中心として、現在まで確保した資料の再整理と分析を行うことで、研究テーマの深化を図る予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の拡大により、フランスへの渡航および国内の移動が行えず、資料収集の予定が実行できなかったことによる。 状況の改善により、移動が可能になった場合には、フランスへの渡航、京都での資料調査を行い、計画を当初の手順に沿って進行させる。今年度も引き続きフランスへの渡航等が困難な場合には、インターネットによる専門家との意見交換を中心として、現在まで確保した資料を再整理と検証を行うことで、研究テーマの深化を図る予定である。また、それに応じて成果発表の場として、セミナーを開催することを企画中である。
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