研究課題/領域番号 |
20K00489
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
坂巻 康司 東北大学, 国際文化研究科, 教授 (70534436)
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研究分担者 |
大坪 裕幸 立教大学, 外国語教育研究センター, 特定課題研究員 (30833983)
井上 由里子 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 准教授 (70601037)
水野 雅司 学習院大学, 付置研究所, 教授 (80286244)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 言語 / 共同体 |
研究実績の概要 |
本研究は4名の研究者による共同作業を通して、近現代演劇における<祝祭>概念がいかに変貌して行くことになったのかを探求することを目的としている。今年度は諸々の事情から研究会の開催が遅れ、2022年3月26日にようやく第四回研究会(オンライン)を開催することができた。ここでは先ず、坂巻康司が「<祝祭>のヴィジョンを振り返る――未開社会から19世紀末まで」と題する発表を行い、文化人類学や歴史学の観点から、西洋(主にフランス)における<祝祭>の様々な形態を取り上げ、それが時代状況に応じて変貌して行く過程を振り返った。最終的に、19世紀末の舞台芸術における<祝祭>の意味を考察し、歴史的な流れを確認した。続いて、水野雅司は「境界の言葉――サロートの演劇作品をめぐって」と題する発表を行った。この発表では、幾つかの興味深い戯曲を執筆した20世紀フランスを代表する小説家ナタリー・サロートの作品を取り上げ、その言語表現の特異さに密着することにより、<境界の言葉>としてのサロートの言語の魅力を解き明かそうとする内容だった。二つの発表後、<祝祭>のありかたや<共同体>との関りについて様々な意見交換がなされた。 加えて、井上由里子はヴァレール・ノヴァリナの戯曲を翻訳する行為に関する研究論文を執筆し、フランスの出版社から刊行された論集に発表することにより、自身の研究内容をさらに深めた。 また、この共同研究の関連イベントの一つとして、2021年11月27日開催の日本フランス語フランス文学会東北支部会においてオンラインによるシンポジウム「ボードレールの《世界性》――西洋と東洋の境界を越えて」を組織し、4名の研究者を他学会(比較文学、独文学、露文学、中国文学)からお招きし、発表していただいた。ボードレールと舞台芸術、あるいは<祝祭>との関連についての考察も今後は深めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度で4名の共同研究者による研究発表がすべて無事に終了した。2022年度以降はゲスト研究者に加わっていただくことにより議論の幅を広げ、研究活動をさらに拡大して行く予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2022年4月現在、いまだ新型コロナウイルスの感染状況が収まりを見せていないところからすれば、2022年度も引き続きオンラインによる研究会を続けて行かなければならない可能性が高い。 しかし、もしも状況が好転すれば、オンライン形態から対面形態へと徐々に研究会を移行しつつ、他分野の専門家をゲスト・スピーカーとしてお招きすることによって、<祝祭>概念の様々なありかたについての共同研究を推進して行きたい。今後は、17~19世紀イタリアやドイツの<祝祭>のありかたとの比較を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、当初予定していた対面による研究会を実施することができず、旅費を使用するに至らなかったことが最大の要因である。来年度以降の研究会では、恐らく対面による研究活動が始まり、旅費を使用することができると思われる。
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