研究実績の概要 |
『千一夜物語』フランス語版の訳者ジョゼフ=シャルル・マルドリュスが遺した未公開の手書きノート「カルネ」4点(A,B,E,FGH)を対象とした,法定相続人の故マリオン・シェネ氏(Marion Chesnais)から受けた独占的使用の許諾に基づいて行っている翻刻とデジタル化の作業は,主にフランス語で書かれたカルネA(全178ページ:83802語),カルネB(全118ページ:51856語),カルネFGH(全29ページ:11509語)について判読が困難な箇所以外はすべて完了した。アラビア語で書かれたカルネEについては全45ページのうち三分の二の翻刻とフランス語への翻訳を完了した。 翻刻が完了したテキストの内容についての大まかな分類作業を継続して行うと共に,それらの一部は日本語への翻訳を開始した。 カルネの解読のための補助的資料として,研究代表者小田が撮影したマルドリュスの義妹である故マドレーヌ・シェネ氏(Madelaine Chesnais)とその娘故マリオン・シェネ氏への約三時間十分に亘るインタヴュー(2003年)を書き起こす作業を開始した。 成果のひとつとして,カルネを含むマルドリュスの遺贈コレクションのカタログ(共編)を出版した:Tetsuo Nishio, Naoko Okamoto, Jun'ichi Oda, Margaret Sironval, Marion Chesnais et Yo Kaji (eds), 'Catalogue du fonds Josephe-Charles Mardrus, traducteur des Mille Nuits et Une Nuit', Editions Abencerage, Paris, 2022. (ISBN: 9782952938518)
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