研究実績の概要 |
バンジャマン・フォンダーヌ研究については、フランスの学術誌に論文 "Benjamin Fondane en quatre langues" を掲載した(La Revue des lettres modernes : Les Conrad francais. Ecrivains, etrangers, francais (1918-1947), Classiques Garnier, 2021)フォンダーヌにおけるイディッシュ語、ルーマニア語、フランス語、スペイン語の使用が、フォンダーヌの「横断者」としての資質とも密接な関係をもっていたことを、豊富な資料をもとに論証した。 フォンダーヌとボードレールについては、日本フランス語フランス文学会東北支部大会(2021年11月27日、オンライン)のシンポジウム「ボードレールの《世界性》」において、「フォンダーヌとボードレール」と題する研究発表を行い、日本フランス語フランス文学会東北支部会報『Nord-Est』第15号(2022年4月)に同発表の報告を掲載した。また、詩誌『びーぐる』第53号(2021年10月)に「フォンダーヌから見たボードレール」を掲載した。二つの論考はともに、ルーマニア時代からパリ時代に至るフォンダーヌの詩作品におけるボードレールの影響と、彼の詩論におけるボードレール理解を検証したものである。 ロマン・ガリについての論考を発表することはできなかったが、「日本の学生が選ぶゴンクール賞」運営委員として、ガリの履歴と重なる時代を対象としたソルジュ・シャランドンの小説『ろくでなしの子ども』の紹介記事を雑誌『ふらんす』2022年2月号(白水社)に掲載した。
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