研究課題/領域番号 |
20K00495
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
野津 寛 信州大学, 学術研究院人文科学系, 教授 (20402092)
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研究分担者 |
納富 信留 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (50294848)
吉川 斉 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 助教 (60773851)
葛西 康徳 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (80114437)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ギリシア悲劇 / 西洋古典学 / 比較文学 / 受容研究 |
研究実績の概要 |
当初の予定では令和2年度8月から9月の間に英国Oxfordに渡航し英語で研究報告を行い、ギリシア悲劇と儀礼的パフォーマンスの比較研究を行う海外の共同研究者たちと情報・意見交換を行うと共に、国際シンポジウムや講演会に関する打ち合わせ等を行う予定であったが、折からのコロナ禍による渡航制限のため、予定していた英国への渡航が叶わなかった。海外の研究者との議論や打ち合わせについては主に葛西(分担研究者)が主導して、V. Cazzato 氏、F. Lisssarrague 氏、M. Pierre 氏と共に続けている。なお、パリ第7大学のMaxime Pierre 氏との共同研究は、主に遠隔会議システムを利用して進行しつつあり、令和2年度12月には野津(研究代表者)がZoomを使った講演会をパリ第7大学で2回行った。国内での研究もコロナ禍のため大きな制限を被ることになったが、野津(研究代表者)と吉川(分担研究者)は、資料提供者の方々から許可を取りつつ自宅を訪問し、東大ギリシア悲劇研究会の1次資料の収集と電子化公開に特化したデータのアーカイブ化を進めている。当初予定していた「ギリシア悲劇・ギリシア抒情詩・能の比較研究に関する、第1回国際シンポジウム」は開催できなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
あくまでも国際共同研究というステージに立脚し、国際的な期待に応えるべく、日本におけるギリシア悲劇研究及び受容に関する研究の空白を埋めていくことを目的とする本研究においては、海外の研究者との共同作業、及び、海外の研究拠点での研究と発表が重要な位置を占めているが、折からのコロナウィルスの世界的流行により、国外のみならず国内においても具体的なプログラムの実現が困難となった。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度の諸々の計画のうちで実現出来なかったことを令和3年度に実現できるよう努める:(1)英国Oxford に渡航し、英語で研究報告を行うとともに、ギリシア悲劇と儀礼的パフォーマンスの比較研究を行う海外の共同研究者たちと情報・意見交換、(2)国際シンポジウムや講演会に関する打ち合わせ等を行う(Adele Scafuro 氏、Vanessa Cazzato 氏、Maxime Pierre 氏等の海外共同研究者)。野津(研究代表者)と吉川(分担研究者)は、東大ギリシア悲劇研究会の1次資料の収集と電子化公開に特化した具体的作業を進め、すでにアーカイブ化できているデータについては情報の英語訳を進める。また、令和3年度に予定されていた Cazzato 氏の招聘はコロナ禍のため Zoom を使った研究会に変更せざるを得ないだろう。ギリシア悲劇・ギリシア抒情詩・能の比較研究に関して「第1回国際シンポジウム」を行う。令和3年度に予定していた計画は、半年ほど遅らせて実現する。儀礼的なパフォーマンスとギリシア悲劇に関する西欧の人類学的・比較論的研究と受容の在り方への積極的眼差しの有無が、わが国における古代ギリシア演劇の研究と受容を国内的なものにするか、国際的なものにするかの分かれ道だった」という作業仮説の実証的かつ文献学的な検討を終える。
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次年度使用額が生じた理由 |
折からのコロナ禍のため予定していた研究者招聘が出来なかったため(航空チケットキャンセル)。次年度使用は令和3年度請求額と合わせて消耗品費として使用する予定である。
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