研究課題/領域番号 |
20K00502
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 札幌大学 |
研究代表者 |
岩本 和久 札幌大学, 地域共創学群, 教授 (40289715)
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研究分担者 |
中野 幸男 同志社大学, グローバル地域文化学部, 助教 (40640800)
宮川 絹代 東京大学, 大学院総合文化研究科, 学術研究員 (40757366)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ロシア / ソヴィエト / 非公式 / 文学 / 映画 / 狂気 / シニャフスキー / タルコフスキー |
研究成果の概要 |
本研究では①ソ連の精神医療の歴史、②シニャフスキーにおける狂気の主題、③タルコフスキーの映画に見られる狂気の主題について分析を行い、以下の点を明らかにした。①ソ連の精神医学は社会主義リアリズム文学のモデルに従い診断を行なっていた、②シニャフスキーの裁判では社会主義リアリズムとロシア・フォルマリズムの文学観の違いが論点となっていた、③タルコフスキーの映画に見られる狂気は中世的な神秘的な力と結びついている。ソ連後期の芸術において、狂気は公式文化やイデオロギーからの逸脱として機能していたと言えるだろう。
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自由記述の分野 |
ロシア文学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究期間内には研究資料の購入と国外における調査を行なった。それによりソヴィエトの非公式文学や映画と社会の関わりについて、改めて検証を行うことができた。研究成果は狂気の主題と社会的イデオロギーの関係を問うものだが、芸術と近代社会の関係を考察する本研究はソヴィエトという特殊な体制を理解するために役立つものではなく、広く近代芸術一般について考える際にも応用できるものである。
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