本研究の目的は、芸術運動シュルレアリスムが、ハイチにおける民間宗教や生活と深く結びついた芸術のあり方にヒントを得て、第二次世界大戦後の活動を展開させたという仮説を証明することである。 ①シュルレアリストたちがハイチの芸術と宗教をどう受けとめたのかを解明し、②ハイチの画家イポリットの創作活動の詳細を解明した。③イポリットや素朴派を「プリミティヴ」として評価するようになったニューヨークの美術界について調査を行い、④第二次世界大戦後におけるヨーロッパの芸術の潮流における「原始的なもの」に関する調査を行った。⑤戦後のシュルレアリスム展におけるハイチの影響の射程を明らかにした。
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