研究課題/領域番号 |
20K00533
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研究機関 | 大阪経済法科大学 |
研究代表者 |
宋 恵媛 大阪経済法科大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (60791267)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 資料整理 / 朝鮮人米軍通訳 / 文学史 / 資料集刊行 |
研究実績の概要 |
初年度である2020年度は、本研究の根幹となるような翻訳理論研究、言語問題の分析に力を入れた。これに関しては、概ね目標を達成することができた。 しかしながら、予定をしていた米国およびロシアでの資料調査、聞き取り調査がコロナの影響で全くできなかったため、計画を大幅に変更せざるを得なかった。その代わりに、これまで収集した資料の整理作業、すなわちデータ化や目録化を重点的に行うことにした。また、それをもとにして、論文執筆、研究発表、資料集発刊を当初の計画以上に進めた。発表は日本語、朝鮮語、英語で行い、幅広い読者、研究者に対して問題提起を行うことができたことも、2020年度の成果であったといえる。 資料整理に関しては、これまでに収集したサハリン関連、在日朝鮮人関連の新聞や文献資料の文字起こしや整理を、予定を早めて大量に進めることができた。そしてその成果を用いることで、国際学会でサハリン朝鮮人の文化に関する口頭発表、および英語論文執筆としてつなげた。また、予定していた通り、朝鮮人米軍通訳による文学の系譜を論じた論文(朝鮮文)を執筆し、韓国の学術誌に発表した。また、当初の計画にはなかったものの、在日朝鮮人文学関連の貴重な新資料(作家の日記)を入手したため、その資料整理を大きく進めた。そして、それをもとに関連論文二本を日本で発表した。さらに、当初の計画通り、日本で在日朝鮮人文学に関する資料集の刊行を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
海外での資料調査や聞き取り調査が全くできなかったが、その代わり資料整理に時間と予算を費やすことができた。それをもとに、計画外のものを含め、論文発表と執筆を大幅に進められた。さらに新資料を日本で発掘し、その整理と論文執筆を行った。当初の計画にはなかった作業であったが、本テーマを深める上でも重要な資料であるため、有益だった。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に引き続き、2021年度も海外調査に重点を置く予定だった。しかし、現状では実現が困難であることが予想される。そのため、今年は去年に引き続きこれまでの収集資料のデータ化作業等、および論文や書籍の執筆と発表により力を入れる。
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