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2023 年度 実施状況報告書

最小探査とラベル付けに基づく文法格の比較統語論研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K00535
研究機関山形大学

研究代表者

高橋 真彦  山形大学, 人文社会科学部, 准教授 (30709209)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード主格目的語 / 道具格主語 / スクランブリング
研究実績の概要

昨年度に引き続き、日本語の目的語作用域解釈の分析を継続し、その理論的・経験的帰結を検討した。特に、今年度は、分析から導かれる帰結の1つである、線形語順に影響を与えない目的語の移動について考察した。前年度までの研究では、主語が道具格を受ける場合、後続する主格目的語が可能接辞に対して広い作用域を取れないことを確認した。これは、道具格主語が動詞句内に留まるため、後続する主格目的語が、線型語順に影響を及ぼさないかたちで動詞句の外に移動することができないためである。主格目的語が動詞句内に留まるため、可能接辞よりも低い位置で作用域を取ることになる。今年度は、主格目的語が道具格主語に後続しながらも可能接辞よりも広い作用域をとる事例を複数考察した。より具体的には、道具格主語に後続する主格目的語の作用域が可能接辞に対して広くなる以下の場合を検討した:(1)道具格主語の直後にポーズが置かれる場合、(2)道具格主語に話題の助詞「は」が添加される場合、(3)道具格主語が上位の節に移動する場合。考察の結果、この状況下においては、道具格主語は、基底生成される動詞句内の位置から時制句よりも更に上位の位置に移動していることが明らかになった。そのため、主格目的語が道具格主語に後続しながらも時制句の領域に生起することが可能になり、可能接辞よりも広い作用域をとることが可能になる。この結果は、スクランブリングや名詞句移動は反局所性に従うという前年度までの主張を支持するものである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

投稿していた論文が採択され、出版された。

今後の研究の推進方策

分析の帰結を更に追求する。研究成果を学会や研究会で報告し、評価を受ける。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Phasal transfer and anti-locality: Movement of objects in Japanese2023

    • 著者名/発表者名
      Masahiko Takahashi
    • 雑誌名

      Glossa: a journal of general linguistics

      巻: 8 ページ: 1-39

    • DOI

      10.16995/glossa.8850

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2024-12-25  

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