研究課題/領域番号 |
20K00538
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
崔 貞冴 金沢大学, 人間社会研究域, 客員研究員 (70821908)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 派生方向 / 共通のスキーマ / -eoseo形節と-eo形節 |
研究実績の概要 |
本研究は,他動詞による単文構造を起源とし,使役接辞による使役動詞の構文を中間構造と位置づけ,日本語ではテ形節,韓国語では-eoseo形節における複文構造へと到るものであると考え,使役状況による構文の連続性を明らかにする研究である。 そのため,まず崔(2019)「韓国語の語彙的使役および語彙的受身の学習について-動詞接辞-i/-hi/-li/-ki による派生方向と動詞の意味クラスに基づいて」で設定した語彙制限を外し,「接辞-i/-hi/-li/-ki の派生構造」の再考察を行った。そして,動詞の意味クラス別に見られるスキーマと共通する「述語タイプ」から,その内部構造と派生方向との意味関係を明らかにしてきた。 一方,複文構造においては,韓国語の-eoseo形節と,(日本語の体言止めに対応する)-eo形節について,分散形態論的なアプローチを加え,その共通点および相違点を考察している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
直接的な理由としては,コロナ禍で2020年度の前期,多くの関連学会が開催中止になったため,申し込んだ発表が中止となるか,後期に持ち越された。 間接的な理由としては,受け持っている講義が遠隔授業となり,その準備および対応に,予想以上に多くの時間が費やされていた。そして,過労と共に体調を崩していたためである。
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今後の研究の推進方策 |
まずは体調及びエフォートを改善するため,2020年度の研究に大きく支障を来たしたコロナ禍の講義のコマ数を4割減らし,エフォートを10%前後で維持できるようにした。
本研究は大きく3つのSTEPで構成されており,昨年度の結果を用いてこれからSTEP2の段階であるケーススタディに着手する。つまり,単文構造の記述枠組みを用いて,使役性の内部構造と中間構造のカテゴリー別の対応関係を示すことになる。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で多くの学会が中止,またはオンラインによる開催となり,国内外への旅費の出費がなくなったため。 まずは,旅費に代わって,オンライン学会での効率よい発表,オンライン上のディスカッションなどを充実させるべく,それに伴う関連機器を充実させていく。 また,2021年度後期,もしくは来年度の旅費として使うこととする。
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