研究課題/領域番号 |
20K00541
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
野瀬 昌彦 滋賀大学, 経済学系, 教授 (20508973)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ニューギニア言語 / アメレ語 / トクピシン / 未来形 / 否定形 / 命令形 |
研究実績の概要 |
コロナによる海外渡航制限が2023年度春時期から(条件付きながらも)解禁され,国外への渡航が可能になった.そのため,フィリピンやバングラデシュでの国際学会での成果発表を実施した.フィリピンでの成果発表(未来形に関するニューギニア言語の対照研究)はすでに論文としてまとめ提出し,査読中である.バングラデシュでは,そこの主要言語であるベンガル語のデータを参照し,自身の研究に組み込むことを目指した.そして2023年8月には久しぶりにパプアニューギニアでの現地調査(2週間)を実施することができた.パプアニューギニアでは,アメレ語だけでなく,ベル語やトクピシンなどのデータも収集することができた. 特に,命令文のデータを数多く収集し,その結果を国内学会でポスター発表し,さらには2024年6月に国際学会で発表することが内定している. 2024年度は一年間研究期間を延長し,研究の成果発表と論文執筆に取り組むことになった.特に,未来形の用法,否定文,そして命令文と条件文に着目し,動詞の形態論的な標示とその意味機能に関して,通言語的な(特にパプアニューギニアのマダン州の言語:アメレ語,コボン語,タキア語,ワスキア語,マナム語など)調査と分析を試みる.そうして,意味的に現実の意味と非現実の意味で分けて捉えることの効果を検証する. 最終年度に向けて,文献資料やフィールドノートとともに,理論的な前提に関する研究も参照しつつ,言語類型論的な観点と,ニューギニア系言語全体の観察を通して,論考を進めていく.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
未来形の研究,否定形の研究,および命令形の研究が進捗し,現実と非現実の意味で説明可能であることが判明した.引き続き,時制やムードに関して,現実・非現実による意味と形式の関係性をパプアニューギニアのマダン州で話される言語(アメレ語,ベル語,トクピシンなど)の調査を通して取りまとめている段階である.
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今後の研究の推進方策 |
研究期間を一年延期したため,研究の最終的な取りまとめ,国際学会や論文による成果発表に取り組むと共に,可能であれば,国内研究会の開催または研究のアウトリーチ活動に取り組みたい.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究期間の1年目(2021年度)と2年目(2022年度)に,コロナウィルスによる海外渡航制限があったため,国外出張やパプアニューギニアでの現地調査が実施できなかったため,次年度使用額が発生した.2024年度は研究期間を一年延長して,研究や成果発表を実施する.
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