研究課題/領域番号 |
20K00558
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
須賀井 義教 近畿大学, 総合社会学部, 准教授 (60454641)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 朝鮮語史 / コーパス / 形態素解析 / 計量的分析 / TEIガイドライン |
研究実績の概要 |
計画の3年目である令和4年度にも,引き続きMeCab(めかぶ)向けの15世紀朝鮮語形態素解析用辞書である「MkHanDic」に,辞書項目の追加を行った.現在の辞書項目数は9730項目で,学習用データは3070文である.解析の精度について,やはり同音異義語の判定に問題があり,解決方法について検討を行っている.ただし,これまでの作業を通じて,辞書の項目数を着実に増やしており,さらに登録項目を増やしていくことで,全体的な精度を向上させることが可能である.引き続き,辞書項目と学習用データを増やしていく. また,形態素解析を行う前段階の作業として,TEI(Text Encoding Initiative)ガイドラインを用いた電子データの整備を並行して行っているが,今年度は『般若心経諺解』『救急簡易方諺解』の電子データ構築に着手した.これらの文献も15世紀に刊行されたものであるが,本研究で対象とする『月印釈譜』とはテキストの構造,構成がやや異なる.様々なタイプの文献について,TEIガイドラインによる電子データ化を行うことで,知見がより深まり,『月印釈譜』に対する電子データ化もさらに精緻さを加えることが可能になると考える.また,形態素解析の結果も盛り込んだ電子データ化の方法についても,今後検討する予定である. 今後はこれらのデータを元に,本研究の研究対象である『月印釈譜』の他の巻についても電子データ化を行い,作業が終了したデータから形態素解析を行って,未登録の項目を辞書項目として追加する作業を行う.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
対面授業の再開に伴って,新たな授業運用の方式を導入したため,授業負担が増大し,本課題の遂行に割くことのできる時間がやや不足した.また,データの入力やチェックに従事するアルバイトの雇用に問題があり,形態素解析と解析用辞書構築に関する作業がやや遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
既に電子データ構築が終了している文献から形態素解析を順次行い,解析用辞書を充実させる.また,解析済みのデータを活用するための方策を検討する.
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次年度使用額が生じた理由 |
手配を検討していたアルバイトの雇用に問題があり,人件費を使用する機会がなかった.また,予定していた国内の出張も都合によりキャンセルとなり,旅費の使用に支障が生じた. 次年度は入力データチェックのためのアルバイト雇用,資料調査・成果発表などの出張旅費として支出を予定している.
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