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2021 年度 実施状況報告書

文法構造の形成はどこまでボトムアップなのか?―理論と実証・その相乗効果による研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K00575
研究機関宮城学院女子大学

研究代表者

木口 寛久  宮城学院女子大学, 一般教育部, 准教授 (40367454)

研究分担者 高橋 将一  青山学院大学, 文学部, 教授 (70547835)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード統語論 / 第一言語獲得 / 国際共同研究
研究実績の概要

2021年度は、海外共同研究者によって、マクワリー大学(シドニー・豪州)・CCD(ARC Centre of Excellence in Cognition and its Disorders)にて英語を母国語とする幼児を対象にTruth Value Judgement Taskを用いた実証実験で収集した第一獲得実験のデータをもとに、とくに三項動詞構文の中でも特にspray-load交替についての分析を取り上げて研究を進めた。
spray-load交替では第一目的語のgoalと第二目的語のthemeにある数量詞の関係が非あいまいになる。例えばJay loaded a truck with every box.では一台のトラックに全部の箱を載せたという解釈しか持たない。対照的に第一目的語のthemeと第二目的語のgoalにある数量詞の関係はあいまいになる。例えばJohn loaded a box onto every truck.では全てのトラックに箱をひとつづ載せたという解釈も当然可能である。
今年度、収集した実験データを分析精査したところ、被験者(すなわち4-5歳児)はこの対比を正確に分別して解釈していたことが重要な研究知見になりうる断定した。ここから、当該構文の統語的分析のこれまでの知見を踏まえつつ、第一言語獲得理論においてどのような示唆を含意するのか検討を重ねた。

また、これまでの本研究で得られた成果などももとに『正しく書いて読むための 英語前置詞事典』(朝倉書店)の分担執筆を担当した。書籍は2022年度中の出版が予定されており、本研究で得られた成果の一端を当該研究者のみならず、中高英語教員、一般の英語学習者に期間内に還元することも可能となった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2021年度も前年より継続する新型コロナウィルス感染症拡大および、それに伴う海外研究協力者の居住国変更(オーストラリアからニュージーランドへ)が要因となり、共同研究打ち合わせも滞り、当初より継続していた三項動詞の実証的研究に進捗が見られなかった。ただし、2021年度以前に収集したデータについて第一言語獲得理論に大いに貢献しうる新たな視点を見出すことができたのは幸いであった。

今後の研究の推進方策

三項動詞の2つの目的語の数量詞繰り上げにおける(非)循環性についての理論的・実証的研究においては、とくにspray-load交替のついて特化して海外研究協力者との共同研究打ち合わせも継続し、次年度中には分析を一定の形にまとめ、年度内に1本の論文として国際学術雑誌への投稿を目指す。
さらにWhole Sale Late Mergerに関する統語モデルの進展にも努めていきたい。

次年度使用額が生じた理由

2021年度も新型コロナウイルス感染症拡大継続により、海外へ発表および海外研究協力者との打ち合わせに出向くことができず予定通りの執行が叶わなかった。
次年度においても、新しい日常にのっとった最近の研究スタイルの動向に即し、動画作成やリモートによる研究推進環境の整備に使用する計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 国際共同研究 (1件)

  • [国際共同研究] マクワリ―大学(オーストラリア)

    • 国名
      オーストラリア
    • 外国機関名
      マクワリ―大学

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公開日: 2022-12-28  

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