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2022 年度 実施状況報告書

可能世界を用いない様相表現の意味論的枠組みの構築ー日本語様相表現を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 20K00586
研究機関名古屋学院大学

研究代表者

今仁 生美  名古屋学院大学, 外国語学部, 教授 (20213233)

研究分担者 田窪 行則  大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 所長 (10154957)
中島 秀之  札幌市立大学, その他部局等, 学長 (80344224)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードmodarity / conditionals / possible worlds
研究実績の概要

黒雲が立ち込めるのを見て、ある人は「雨が降るかもしれない」と言い、他の人は「雨が降るに違いない」と言ったとする。同様に黒雲を見上げていた人は、この二つの言明を聞いても不思議に思わない(つまりどちらの言明も状況的には真である)場合もあると考えられる。しかし、様相論理に基づく意味論的枠組みでは、これは奇妙である。なぜなら、前者は存在量化文であり、後者は全称量化文だからである。
本研究は、こういった日本語の様相表現をデータとし、可能世界を用いない様相表現の意味論的枠組みの構築を目指す。具体的には、状況理論の理論的枠組みを援用する。本研究の目的は大きく分けて二つある。一つは、様相表現の特性を可能世界の「量化」によって捉えようとするとうまくいかない現象が存在することを分析することで、もう一つは様相表現には、情報理論で扱われる「状況への同調」があることを考察することである。一昨年度は最初の点に関して考察を進めたが、昨年度はとくに比較構文と状況の間の関係について考察を行った(比較構文の理論的分析には「惰性世界」が用いられるが、これは可能世界の一種である)。
なお、3月24日と25日に科研ワークショップ『意味論におけるワークショップ』を滋賀県雄琴で開催した。代表者の今仁は“On comparatives in Japanese; color terms have a partial order”というタイトルで、海外研究協力者であるシカゴ大学のChris Kennedy教授は“Zeroing in on exclusively exclusive content”というタイトルで発表を行った。分担者の田窪は発表予定であったが、開催日の前日に体調不良となり欠席となった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナの影響が残っており移動が難しかったこと、また、2023年度の成果を論文の形にまとめるのに時間がかかったため。

今後の研究の推進方策

Chris Kennedy教授との共同研究を行うための議論を2023年3月に行ったが、その継続として、秋に再度Kenney教授を、他の科研(神戸大学:澤田治代表)との共同研究として、日本に招聘する予定である。昨年度の研究代表者の口頭発表の内容である比較構文に関して、Kennedy教授と研究内容をより進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍で海外出張ができず、共同研究の継続が必要となったが、23年度には海外研究協力者のシカゴ大学教授Chris Kennedy氏を招聘し、比較構文に関する研究を進める予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [学会発表] On comparatives in Japanese; color terms have a partial order2023

    • 著者名/発表者名
      今仁生美
    • 学会等名
      意味論におけるワークショップ(開催地:滋賀県)
  • [学会発表] 予期知能に向けて2023

    • 著者名/発表者名
      中島秀之
    • 学会等名
      情報教育研究集会・次世代大学教育研究会・教育の国際化研究会
  • [学会発表] Two foci analysis of the deictic demonstratives in Japanese.2023

    • 著者名/発表者名
      Yukinori Takubo
    • 学会等名
      NINJAL-UHM Linguistics Workshop 2023
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 終助詞と共有知識管理2022

    • 著者名/発表者名
      田窪行則
    • 学会等名
      自閉スペクトラム症(ASD) における言語と共感機能(東北大学)
    • 招待講演
  • [図書] The theory and Practice of Language Faculty Science2022

    • 著者名/発表者名
      Hajime Hoji, Daniel Plesniak, Yukinori Takubo
    • 総ページ数
      350
    • 出版者
      De Gruyter Mouton
    • ISBN
      9783110724677

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公開日: 2023-12-25  

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