研究課題/領域番号 |
20K00588
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
森 若葉 同志社大学, 研究開発推進機構, 共同研究員 (80419457)
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研究分担者 |
前川 和也 国士舘大学, イラク古代文化研究所, 共同研究員 (60027547)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | シュメール語 / 楔形文字 / エラム語 / 粘土板 / マルヤン(アンシャン) / アッカド語 |
研究実績の概要 |
本研究で研究の対象としている楔形文字資料のうち、イラン国立博物館のシュメール語粘土板については、Mori, W. Three Sumerian Texts of the National Museum of Iran: an Ur-Namma Inscription, an Administrative Fragment and a Bulla (in press). Ancient Iran: New Perspectives from Archaeology and Cuneiform Studies. National Museum of Iran. を出版した。当初予定していたテヘランでの現地調査はコロナのため行えなかったが、紀元前二千年紀のエラム語資料については、研究分担者の国士舘大学/京都大学の前川和也氏および共同研究者とともに、研究会をオンラインで実施し、公刊に向けて研究をすすめた。 京都大学総合博物館所蔵のシュメール語とアッカド語の楔形文字資料については、コロナのため4月から8月まで調査が中断していたが、秋に調査再開が認められたため、数ヶ月遅れで調査を行っている。ただ、この遅れのために、年度内に予定していた京都大学総合博物館が所蔵する50枚あまりのシュメール語、およびアッカド語の楔形文字粘土板資料の出版は延期となった。これについては、2021年度内に、粘土板の写真および手写コピーに、翻字・翻訳を付した形で出版の予定である。 イラク所蔵のウンマ・アル・アカリブ出土の初期王朝期のシュメール語粘土板については、オンラインでイラクの研究協力者と今後の調査にかんして打ち合わせを行った。写真を送付してもらい、2021年度夏から本格的に調査研究を開始する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナの影響で、予定していた調査や研究発表を行うことができなかったため。イラン国立博物館の資料については、渡航が禁止になった。京都大学総合博物館で行っている調査はについても。博物館への立ち入りが制限されたため、調査再開が秋になり予定していた成果出版が1年延期となった。成果発表を予定していた学会・研究会も延期や中止になり、当初のスケジュールと異なるものとなった。
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今後の研究の推進方策 |
オンラインでできうるかぎり調査をすすめる方向に方針を変更した。現地での調査はまだ見通しが立たないが、再開できるまでは、現在手元にある資料をもとに、調査を継続する。打ち合わせのほかに、資料内容の検討についてのオンライン研究会を継続的に行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた海外調査および研究発表がキャンセルとなり、旅費を支出しなかったため、次年度使用が生じた。海外渡航が可能になり次第、調査を再開する。それまでは、イラクの現地研究者に資料の写真をとってもらう方向で現在調整を行っている。日本での研究継続のための環境整備と、現地で写真を撮影してもらうための費用を支出する予定である。
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