• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

単語ストレスを主な手がかりとした日本語母語英語学習者のリスニング過程に関する検討

研究課題

研究課題/領域番号 20K00590
研究機関流通科学大学

研究代表者

山本 勝巳  流通科学大学, 人間社会学部, 准教授 (40249818)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードリスニング / 日本語母語英語学習者 / 単語アクセント
研究実績の概要

本研究の目的は、日本語母語英語学習者のリスニング過程を解明することである。リスニングの最初の課題は一続きの音声入力から、意味単位となる単語を切り出すことである。
日本語がタイミングに関してかな1文字に相当するようなモーラを単位とし(mora-timed)、高さアクセント(pitch-accent)を持つ言語であるのに対して、英語はストレスがタイミングの単位となり(stress-timed)アクセントの手がかりともなる(stress-accent)言語である。それぞれの言語の話者は、母語に合わせた単語境界の知覚を行っていると報告されていることから、日本語母語話者の英語リスニング過程の探求は興味深い研究領域であると考えられる。先行研究によれば、日本語母語英語学習者の場合、高さの情報がストレス知覚に影響するとの指摘があり、ここまでは筆者の予備的実験でも確認済みである。筆者の予備的検討では、日本語母語英語学習者と英語母語話者に対して子音+母音から成る無意味音節の高さと長さをさまざまに変化させた刺激を用いて、両方のグループのストレス知覚がどのように変化するか検証するものであった。
2022年度は一つ目の実験として、英語母語話者に対して行われたストレス付与に起因する音質変化の知覚実験と同様の内容を日本語母語英語学習者に対して行うよう準備していた。オリジナル実験の実施者からmusic/museumにおけるmus-、admiral/admirationにおけるadmi-といった刺激ペア一式を入手し、実験用機材も購入して準備を進めていたが、実験協力者と実験者が狭い空間に入り、ヘッドフォンを装着して知覚実験を行うという枠組みでの実験実施は引き続き困難であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

採択初年度以来のコロナ禍の影響で、実験協力者と実験者が狭い空間に入り、ヘッドフォンを装着して知覚実験を行うという枠組みでの実験実施は引き続き困難であった。また、こうしたミリ秒単位での反応を収集する実験では刺激の転送速度等が保証されないオンラインでの実験実施も困難であると思われる。実験協力者との直接的な接触に大きな制限のかかった状況下では、協力依頼が難しい期間であった。

今後の研究の推進方策

本来2022年度が補助期間最終年度であったが延長申請が認められたため、今年度は実験内容を絞って最低限の内容で検討を進める予定としている。
今年度に入り大学もほぼ通常の教育形態が戻り、国内一般においてもコロナの5類への移行などを踏まえて通常生活への復帰が目に見えるようになってきた。現状であれば、適切な予防策をとった上での実験協力も可能と考えている。

次年度使用額が生じた理由

昨年度までは、コロナ禍の影響で、狭い空間内で対面で実験を行うというやり方での実験実施は困難であった。今年度は現状では対面での実験協力も許容されるものと判断しているので、Gatingと結びつけた日本語母語英語学習者のストレス知覚のパタン解明と、ストレス付与に起因する音質変化の知覚実験に注力したいと考えている。

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi