研究課題/領域番号 |
20K00593
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研究機関 | 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所 |
研究代表者 |
籠宮 隆之 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 言語変異研究領域, 特任助教 (10528269)
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研究分担者 |
小渕 千絵 国際医療福祉大学, 成田保健医療学部, 教授 (30348099)
大金 さや香 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 講師 (40595740)
今泉 敏 東京医療学院大学, 保健医療学部, 教授 (80122018)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 韻律 / 聴覚障碍 / 補聴器 / 人工内耳 / コーパス |
研究実績の概要 |
人工内耳は声の高さの伝達に問題があることが知られている.そのため,先天性の難聴を持ち人工内耳にて聴覚を得て音声言語を習得した児童では,単語のアクセントや文レベルのイントネーション,声の抑揚の使い方などのプロソディが健聴の児童とは異なっていることが知られている.しかし,具体的にどのような箇所が異なっているのかは明確になっていない.そこで,本研究では人工内耳等装用者の音声を収集し,その音声に韻律ラベルを付与したデータベースを構築することを目的としている. しかし,2020年度は新型コロナウイルス感染症蔓延防止対策のため,対面でのデータ収集や実験が大幅に制限されており,当初想定していたデータ収集が困難であった.そのため,2020年度は研究開始までの準備段階で予備的に収集したデータの分析を進めた. 研究代表者の籠宮は,補聴器や人工内耳の装用者が音声に含まれる感情情報や話者の個人性などの非言語・パラ言語情報をどのように知覚しているのかについての分析を進めた.研究分担者の小渕・大金は,補聴器や人工内耳の装用者が音楽や環境音などの言語以外の音情報をどのように知覚しているのかを分析した.研究分担者の今泉は聴覚知覚と発話機能の脳機構上の相互作用に関する先行研究を調査し,聴覚障害が言語発達と音声表出・理解に及ぼす影響に対する検討を進めた. これらの分析によって得られた結果は,投稿論文での誌上発表および学会での口頭発表にて公開した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究課題はさまざまな場面での聴覚補助器装用者の音声と聴取実験による評価をデータベース化することを目的としている.そのため,対面でのデータ収集や聴取実験が不可欠となる.しかし,2020年度は新型コロナウイルス感染症蔓延防止対策のため,対面でのデータ収集や実験が大幅に制限されていた.そのため,当初想定していたデータ収集がほとんど実行できなかった.今後はオンラインで可能なデータ収集を検討するなどして,研究の進展を図りたい.
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題はさまざまな場面での聴覚補助器装用者の音声と聴取実験による評価をデータベース化することを目的としているが,新型コロナウイルス感染症蔓延防止対策のため,対面でのデータ収集や実験が大幅に制限されている.今後も当面の間は大幅な状況の改善の見通しが立っていない.そこで,今後はオンラインで可能なデータ収集を検討するなどして,研究の進展を図りたい.
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究課題では,聴覚補助器装用者を対象とした対面調査や対面実験によってデータを収集することを目的としており,2020年度は対面調査によるデータ収集を計画していた.しかし,2020年度は新型コロナウイルス感染症対策のため,対面での調査や実験が大幅に制限されており,データ収集が困難になっていた.そのため,データ収集計画を2021年度以降に後ろ倒しし,予算を繰り越すことにした.
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