研究実績の概要 |
本研究課題は、中世以降のアイスランド語の文献資料と現代アイスランド語のアクセント資料の両方を精査することで、アイスランド語におけるストレス(強さ・強弱)アクセントの史的変遷の有無とその実態を探るものである。従って、アイスランド国内でのフィールドワークは本研究課題の遂行において必須事項であるが、2020年度と同様、2021年度も新型コロナウイルス感染症の影響により、現地でのフィールドワークを実施することはできなかった。幸い、中世の文献資料を電子アーカイブ化したオンラインデータベースへのアクセスや利用は従前通り可能であったため、2021年度も文献資料の収集・分析作業が中心的な研究活動となった。また、文献資料に基づく研究作業に並行して、これまでに採取していた現代アイスランド語のアクセント資料の再分析を行い、今後のフィールドワークにおいて採取すべき調査項目の洗い出しや、フィールドワークの手法の改善等々の検討作業も進めた。現在、アイスランド本国での新型コロナウイルス感染症の状況は安定しており、マスク着用や行動制限等の規制も緩やかとなっているため、2022年度は、上半期に現地でのフィールドワークを計画している(2022年5月時点; 今後の新型コロナウイルス感染症の状況次第では予定の変更あり)。 2021年度の研究成果は、下記の口頭発表2件並びに論文1本の形で公にした:・口頭発表: デンマーク語stoed研究の諸問題: 通時論と共時論の両側面から最善の音韻解釈を探る(2021年6月4日, 国立国語研究所プロジェクト共同研究第7回オンライン研究発表会), アクセント研究諸概念管見(2022年3月28日, 北海道言語研究会第22回研究例会);・論文: ノルウェー語南東部方言のアクセントの再検討: アクセント論の視点から(2022年3月, 単著,『北海道言語文化研究』20, pp.61-89)
|