研究実績の概要 |
<概要> 最終年度である2022年度は、調査地であるアイスランド国内の感染状況や検疫対策が改善・緩和され、ようやく現地での資料収集を行うことができた。2022年9月と2023年3月に、それぞれ首都レイキャヴィーク市内在住の母語話者に協力のもとアクセント調査を行った。併せて、レイキャヴィーク市内のアイスランド大学併設の国立図書館やアウルトニ・マグヌッソン研究所にて、中世期間以降のアイスランド語の文献資料を参照した。 <調査内容> 1) インタビュー調査を通じての現代アイスランド語のアクセント調査; a) 2020年度・2021年度に電子化された文献資料を通じて採取したアクセント資料が現代語においてどのように変化しているか・あるいは変化していないかを確認、b) 本研究課題の採択以前から行なっているアクセント調査の結果を修正・補強すべく、特に系統的に近い関係にあるノルウェー語南西部方言やデンマーク語に対応する語が存在する外来語のアクセント資料を重点的に採取, c) アクセントに付随する韻律現象(例: 音節量の増減、イントネーション)のデータ採取; 2) 文献資料を通じての中世期以降のアイスランド語のアクセント資料の採取。 <研究成果> 最終年度の研究成果は口頭発表2件と論文2本の形で公にした(全て単独発表・単著): アイスランド語アクセント調査報告, 北海道言語研究会第24回研究例会, 2023年9月28日, 現代アイスランド語の二重母音にまつわる諸問題, 北海道言語研究会第24回研究例会, 2023年3月24日;「東工大多言語音声コーパス アイスランド語」<その2> 方言的特徴を探る, 北海道言語文化研究, 21号, pp.35-58, 2023年, ストレスアクセント記述研究管見: フィールドワーカーの視点から, 室蘭工業大学紀要, 72巻, pp.18-35, 2023年
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